大越健介「激動の世界を歩くカザフスタン〜若き草原の国の歩み〜」を録画で視聴。
"〜スタン"の国々は、個人的に最近とても気になっている。
〜スタンとは"〜人の土地"とか"〜の地"という意味があり、殆どがイスラーム教。
アジアの東のはずれにいる日本からは、同じ"アジア"であるにもかかわらず、遠くて馴染みのない国の一つだけれど(wカップで同じアジア予選を戦うことを不思議に思った時期があった)、国民の7割を占めるカザフ人は日本人と風貌がそっくりなこともあって、なんか気になっていた。
さて、カザフスタンとはどんな国なのか。メモ書きですが、良かったら読んでみてください。

草原の国カザフスタン。

ロシアと中国という二大大国に挟まれ、カスピ海に面するこの国の国土は日本の7倍。西に砂漠と豊富な天然資源(油田だけでも70以上あるとされる)を抱え、東の草原は近年、貨物基地へと変貌を遂げた。中国からの貨物が届くのだ。中国政府が掲げるの"一帯一路"の鍵を握るのがカザフスタンなのだ。

ソ連崩壊後に独立し、建国から25年あまりという若い国。人口1,800万人。人口の7割がカザフ人だが、かつてはシルクロードが走っていた文明の十字路だったこの国は130を超える民族が今も住んでいる。7割がイスラームだけれど、他の宗教にも寛容で、市場に行けばタジキスタン、ウズベキスタンからのドライフルーツと一緒に、イスラームは食べない豚肉も売られている。

首都のアスタナは上海よりも未来都市っぽいかもしれない。中東のドバイ、東南アジアのシンガポールをお手本に、西アジアの拠点となるべく豊富な天然資源を武器に国策を進めている。
その中心人物は、ナザルバーエフ大統領。御歳77歳。旧ソ連時代には重要ポストを務め、ゴルバチョフが首相に推した人物とまで言われている。
ソ連崩壊後、権力は彼に集中。25年間、絶大な権力を握っている彼の人気はカリスマ的でさえある(かもしれない。取材のテレビカメラの前でだけ、かもしれない。実際、欧米では独裁者の位置付けのようだ)。

実は、旧ソ連時代に核実験場として使われていた土地が国内に存在するカザフスタンにクルチャトフという土地がある。現在のカザフスタンの北東部に位置するこの土地は、東西冷戦下のソ連時代は地図上に存在しなかった。つまり、旧ソ連軍の最高機密の場所であった。
東西100キロ×南北200キロ、日本の四国に匹敵する土地の広さを、ソ連軍は実験場として使用していた。核爆弾の開発のための実験を行っていたのだ。その数、40年間で456回。
旧ソ連政府は広い実験場に様々な施設を建設し、爆心地から1キロ、2キロ…と民家や家畜や戦闘機を配置し、核爆弾の影響を徹底的に調べた。その施設の中には、モスクワの地下鉄をそっくり再現した建物まであった。ソ連は自国が核攻撃を受けた時のために、地下鉄の建物が核シェルターとなりうるかを調べたのだ。その徹底ぶりは今も残された建物から見て取れる。
爆発の影響で建物に入ったヒビもマジックでなぞって、どの程度影響を受けたかを調べ上げたほどだ。
実験場の中に点在する建物を見ると、いかに冷戦下のソ連が、どれだけ本気で、恐ろしいほどの情熱を持って、核開発に臨んでいたかがよくわかる。それだけアメリカの核開発に先を越されたことへの恐怖感が強かったのかもしれない。

その後、この負の遺産を抱えたままソ連から独立したカザフスタンは、二大大国に挟まれた若い国として、独自の外交を展開していく。全方向外交。平和を掲げ、国際舞台で力をつけ、国連の非常任理事国としての地位を得る。(アジアでは日本以外初)
そしてここが驚くべきポイント。カザフスタンは核を放棄した。ソ連からの遺産でもあったであろう核を、廃棄、した。

写真の人物は、カザフスタンでは有名人である1人の画家。彼は生まれた時から両腕がない。
彼の両親はカザフスタンの北東部に暮らす遊牧民だった。つまり彼の故郷は実験場にほど近い草原だった。彼の両親は何度もキノコ雲を目撃していた。
彼の障害は核に由来することは国に認められている。そんな彼は旧ソ連時代から核実験反対活動を行っていた。彼の絵は核への反対がテーマだ。自分が核実験の最後の被害者になるよう、今も絵を描き続けている。

"平和が欲しいなら、そのための準備をしなさい"

番組の後半は、現在カザフスタン政府が進める帰還政策。国外にいるカザフ人を国内に呼び寄せようというもの。"オラルマン"と呼ばれる彼等の多くは中国から帰ってくる(おそらく新疆ウイグル自治区)。多額の補償金を貰い、人口の少ない過疎地の農村を耕す彼等は、国にとって新たな希望の光である。カザフ人としてのアイデンティティを奮起させ、新たな人材としての彼等に国は大きな期待を寄せる。
また一方で、近年は遊牧民としての暮らしも見直されているようだ。
ゲルに暮らし、家畜とともに見渡す限りの大草原に暮らす人々をカメラは追った。そこには、厳しい自然の中でどこまでも自由に生きる人々の姿があった。

最後に遊牧民の人が言っていた。
「カザフとは、自由という意味なのです」
彼等が奏でる二弦の楽器ドンブラの音色のように、多種多様で自由な人々が生きるカザフスタン。
いつか行ってみたいと思う。(もちろん、遊牧民の住むとこに)