Q:カメラが最安値になる時期は、入学式などのカメラの需要が最も大きくなる時期であるのはなぜでしょうか?
市場の論理で行けば、需要が伸びる時期に価格を上げるはずであるのに、
それとは逆になるのを不思議に思いました。
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A:本来、需要が供給を規定するというケインズ経済学によれば、
需要が最大になる時期に、供給量を調整すれば、需給の一致が起こり最大の価格が守られることになります。
しかし、デジカメに関して言えば、
1・最大の需要期は入学式前ではない
=日本のデジカメは世界スタンダードなので日本市場よりも海外市場の方が大きい。
2・デジカメの購買者年齢が年々、高齢化している
=若年層はスマホでの画像撮影にゆるやかに移行している。そのため、デジカメを買うのは、サラリーマンファミリー(夏、冬のボーナス時期に買う)、高齢者(秋の行楽時期に買う)比率が高まっており、需要のピークが分散化している。
3・流通ヒエラルキーが崩壊している
=かつては流通チャネルにより価格帯が一定してたが、昨今はそれが崩壊し、あらゆるチャネルで安値圏での値崩れが起こっている。
4・技術的な飽和に達している
=デジカメの機能はほぼ頂点に達しており、根本的な機能改善が見込めないため、価格を守るための差別化ができない。
5・販売チャネルに価格支配権の強い企業が多く、それぞれが安値を競っている
=ヤマダ、ヨドバシ、コジマなど家電量販の再編により、寡占化が進み、それぞれが安値販売が「売り」であるため、定価の崩壊が起こっている。
つまり高く売れる時期に安く売るという「逆点現象」が起こっているのです。
その他にも7~8ほどの理由がありますが、ここらで止めます。
これを「資本主義の市場原理」と言う人もありますが、明らかに異常です。
ごく一部の大企業が事実上の価格決定権を持っていることは、むしろ社会主義的であり、
それがメーカーに対する事実上の価格強制力となっているのは、カルテルに近いものと言えます。
資本主義にとって非常に危険なことです。
目先の利益を追うヤマダやヨドバシは、いずれそのモデルを崩壊させてしまうでしょう。