20才 ハタチ *3 | 明日出逢うアナタの為に私がした12045の事

20才 ハタチ *3

20才の夏の私。
「グラス」は最近かけなくなった私。
あんなに2つのアイテムがお気に入りになっていて自分でもこのスタイル結構いいじゃんって思っていたのに。

ユウと付き合い始めてしばらくしてから、グラスは似合わないって言われたのが原因だ。

今までは、素直に男の言う事を聞くタイプじゃなかった。SEXの時、好きな男でも絶対に口で受け止めるのを拒んだりした事もあった。
私の身体で、気持よく満足するのは構わない。ゴムを付けようが、中で出そうが構わない。でも、1つ位は・・・思い通りになってやろうとしない事に快感を覚えていた。
それが、あっさりユウの事を聞いていた。ユウと付き合っている時の自分は自分で無い様な気がしていた。私にも、従順な部分があるんだなぁと新しい発見をしたものだった。

夏のある日、ユウのライブで小樽へ言った。ユウのメンバーと会うのは3度目だったけど、ライブは初めてだった。メンバーは、4人。ユウはステージ向かって左でベースをひき6曲の演奏をした。
思っていた以上に、ユウのバンドは人気があって追っかけも大勢いた事を覚えている。

その日の帰りに、運河沿いで時間を共にした。ライブの興奮と充実感に浸っている。ユウは普段と変わらない様子に見えたが、私には予感があった。あれだけの、追っかけの子達が常に周りにいるのだから。私らしく無い焦り。

その時の私には、いつも見せているクールさは無かった様に思う。
ユウが気付いていたかは別として・・・
私は演技をしたのだろうか。本気だったのだろうか。
初めて、ユウに甘えてみた。夕日でオレンジ色に染まっている運河沿いで、愛し合っている他のカップルと同じ様に。
「ユウ今日は、このまま帰るの」「何が? 何か食べて行くか」
「ううん・・」どうしても慣れない事をすると調子が狂う。
「ホテルに・・いこ」初体験の時の様な会話だ・・・私のバカ! 笑
「はぁ? 金もって無いよ」「いい。私が出すから」
バンドマンは、貧乏と相場が決まっているものだ。
「何だよ、急に。。帰って行けばいいだろう?」「ううん、でも」
「今夜、ユウに抱かれたいの!!」

言ってしまった、実はユウとはSEXはまだだったのだ。
しばらくの沈黙の間にユウは、タバコをふかした。 そして
「ジュース買ってこいよメンバーに聞いた所あるからそこでいいな」
「うん・・・」

まるで、子供の会話だった。と言うか、子供だったんだろう。
私は全然、大人じゃないしその気でいたんだ。

はち切れる位、ドキドキした。