『映画「沈黙の50年」横浜上映会 

    優生保護法問題と運動の学習会』に参加して

優生保護法裁判を知ってからすでに5年、今回の

はまデフ主催『映画「沈黙の50年」横浜上映会&

学習会』には絶対に参加したいと思いました。

学習会では“当時の不条理な国の方針”つまり

旧優生保護法(1948年制定~1996年改正)が

施行された時代背景について、学習会ゲストの

中嶋宇月さん、そして原告の尾上けいこさんが

話してくれたおかげで詳しく知ることができまし

た。障害者を作らせないための法律があったた

めに、たくさんの若い健康な身体に望まないメス

が入ってしまった。痛ましく悲しく苦しいこと

なのに、長すぎる50年という年月をぐっと耐えて

こられたことを思うと言葉になりません。

ようやく2024年7月3日、最高裁判所大法廷は

「旧優生保護法は憲法違反だ」として国に賠償を

命じる判決を言い渡しました。

映画では、当事者の方も出演してくださっていま

すが、ご高齢のためか周囲の俳優さんが状況を

語ったり、回想シーンを多く取り入れた構成に

なっています。そこが残念で‥もう少し当事者の

表情でもいいので当事者メインの映画で作られ

ていたら‥、と残念な点がありました。いえ、

最も残念なことは、ここまでにすごく時間が

経過してしまったことでしょうか。(K)

 

『映画「ぼくが生きてる、ふたつの世界」』感想

「ぼくが生きてる、ふたつの世界」映画を観て

きました。聞こえる世界と聞こえない世界を

コーダとして生きてきた青年、五十嵐大さん演じ

る吉沢亮さんの手話演技は、見事にこなしリア

クションも良く、練習した努力の成果が表れて

います。お母さん役の忍足亜希子さんは、以前、

映画「アイラブユー」出演。今回は、顔の表情が

出て自然な演技。めきめき上達しまあるくなった

ようでした。子供の頃の大さんは、背後からの

車に聞こえない母を守る息子。買い物の時、

手話を使って母に通訳する息子。ところが小学生

になると学校のお友達から「声が変なお母さん」

と言われ意識してしまう。学校の参観日は、来て

もらいたくないし周囲の目が気になって反抗期

に。やがて父の勧めで東京で仕事をすることに。

ろう者仲間達と出会い、手話は読み取れるので

通じる。ろう文化の違いも解って、離れている

自分の両親を愛しく思うようになったのでしょう。

不便なこともたくさんあっただろう、と思う。

もっと苦しい葛藤を出して欲しかったです。

五十嵐大さんの実話なので感動しました。(S)