いいじゃねーか。カラスで。
カゴに入れられて飛ぶ事も忘れちまうかわいそーな鳥にくらべりゃずっーといいじゃねーか
俺はカラスで十分だぜ。
俺はカラスで十分だぜ。
坊屋春道
幼い頃、姉達、母、父、叔母、その他大勢の親族から可愛がられて、甘やかされて、育った。
異常だとも思えるほどだ。姉達は小さな母の様に口うるさく、母はこの子が1番だといい、父は己を通す頑固オヤジで自分の決めた道を子に歩ませようとし、叔母は子がいないためか何かにつけて会いたがっている、父も母も兄弟が多く親族で年が1番下だったためアイドルの様な扱い。
正直、物心ついた頃にはうっとうしさと気持ち悪さを感じて、変にませたガキになってた。
姉達は成績優秀。父の仕事はお堅い職。母は、専業主婦だが、周りの同学年の友達より年上な分学校の役員関係の仕事を任される。さらに言えば、父は地域の児童館の責任者でもあり顔が効き、学校にも影響力がある人間である。
携帯の普及がそこまでの時であっても、自分がどこで何をしているかなんて一発で分かる。そんな牢獄に入れられている様だった。
最初は、頑張って期待に応えようとかも考えて、父と同じ道を…なんて小さな子供の頃から言ってた気がする。
これは余計なプレッシャーを自分の中で作り大きくして、張り詰めた弓の様な緊張感を背負い、いつ切れてもおかしくはない状況を小学生のうちに作ってしまったのだ。
後は時間の問題だった。一つの知らない世界が、自分の中弓を引き弾き切れしまったのだと思う。
後悔はしていない。
それが最初の鳥籠の鍵を開け自由な世界へ1匹のカラスが足を踏み入れた第一歩であり、波乱始まりであり、もっと人間らしく生きていく為に必要な事だったと
今では思うからだ。