「でね、その子が面白いの…ん?」
「どうした?」
私はしゃがみこむとそれを摘み上げた、
「おっタンポポの綿毛か」
「うん、私これ好きなの」
私はこのふわふわの綿毛が大好きでよく小学生の頃いっぱい摘んだ覚えがある。
ふっ、と一息ですべて飛んでいってしまった、種をつけまた違った場所で、花を咲かせ実を結ぶ、それが3
年生の私たちにだぶってしまい、少し泣きたくなってしまった。タンポポの綿毛のようにみんな離れ離れになってしまうのだろうか?
「ん?ばかだなぁ髪に綿毛ついてるぞ?」
彼が私の髪に触れた瞬間、もう気持ちを抑えることが出来なかった。
「ねぇ直樹はずっと私と一緒にいてくれる?」
「う゛っいきなり泣き出して何を言い出すんだお前は……でも、一緒に居るからなこれからも。」
私はしばらく直樹の胸で泣き続けた。

