子供の頃、コンロに蒸し器がかかっているだけで、
なんだか、うれしかったのを覚えています。
あたたかい湯気と、いい香りに待ち切れず、
ふたを開けたくて、「まだぁ?まだぁ?」と何度も聞いたものでした。
これは、わたしの蒸篭コレクションです。
にんじんはとっても甘くて、おいもはホクホクで、菜の花はつややかで、
ただ蒸すだけなのに、とってもおいしくなるのです。
わたしは、プリンだって、フルーツのコンポートだって、蒸してしまいます。
蒸気がぐるぐると対流して、
素材がゆっくりと姿を変えていくのを待つ時間、
それもご馳走だと思います。
数年前から良く使っているのは、タジン鍋。
素材の水分を生かして蒸せるので、素材の風味がしっかり味わえます。
オリーブオイルで炒めてからハーブやスパイスと一緒に、
香り良く蒸すのがお気に入りです。
今回、「きょうの料理ビギナーズ」4月号では、
タジン鍋で菜の花やスナップえんどう、アスパラガスなどの
春野菜を蒸したお料理を、ご紹介しています。
春の野菜は香りを生かして、シンプルに調理するのがおすすめ。
蒸し料理、ぜひ楽しんでみてください。
また、この号では、母の李映林、弟のコウケンテツ、コウ静子の3人が
それぞれ別のページで出演しています。うれしっ。