先日,以前からずっとお会いしたいと思っていた,小原陽子さんの「英語でワイン」講座に参加する機会に恵まれました.
WSET Diplomaの勉強中は,小原さんのお書きになった,
主婦時々薬剤師,ところによりワイン好き
をいつも見て励まされていました.
僕が読んだ本も,このブログで紹介されていたものです.
さて,その英語でワイン講座
テーマは「minerality」について.
Jancis Robinsonの記事,「The elusive M-word」について,読み方を解説して頂き,その内容について議論するという進め方でした.
事前に宿題が出て,自分の考えを英語で言えるようにしておくというものです.
日本語訳については,小原さんのWEBで紹介されています.
捉えどころのないMで始まる単語
先ずは,英語苦手で,リサーチしても殆どの記事について,最初の数行を読んだだけで,嫌になってきて,あとは気力との戦いになる僕にとっては,とても有難い講座でした.
「主語を探す.」とか,今後に有用なINPUTがありました.
内容と,事前に色々と調べたり,考えたりしたことの一部をここに記録しておこうと思います.
■ミネラルと土壌について
Mineralityという言葉,
Flinty,Wet Stone, Smokyなんて言葉で表されるFlavourのことです.
Wine Serrcher のwine styleでは,以下の様に説明されています.
Green and Flinty White Wines
A cool, citrus minerality
From the limestone character of Sancerre to the green, herbaceous Sauvignon Blanc of Marlborough, this style often shows off cut grass and wet stone.
ミネラルといえば,石灰岩質土壌や,Moselのスレート岩の土壌から作られるワインに共通すると言われていたりします.
ChablisのKinmeridge土壌,VouvrayのTuffeau土壌なんかが有名です.
先日,AustriaのGruner Veltlinerをテイスティングしたときに,独特の”こもった”様な香りがして,「これがミネラルですよ」と教わったことがあります.
個人的には,ミネラルというと,NoseよりもPalateで感じる,硬質感,塩気みたいな感じをMineralと表現する感じです.
あとは,特にコメントが無い時に,褒め言葉の一つとしてmineralとか使う感じです.
いずれにしろ,抽象度の高い表現であることは間違いありません.
そんなミネラル感,ミネラリティですが,簡単に言えば,石灰岩質土壌におけるミネラルと,ワインの中に含まれるミネラルと表現されるFlavourには関係が無いという事が,この記事に書いてあります.
先日の講座では,Top Soil, Sub Soil, Subsolum, Bed Rockの説明,
Minerarl Nutrientsについて,それらの成分と,役割の説明等がありました.
■ミネラルという言葉を使うべきか?
あくまでも,個人的な意見ですが,僕は「YES」と思います.
理由は以下の通り
①とても強力なマーケティング・ツールであること
ミネラル感と言われると,ポジティブなイメージがあり,ネガティブなイメージは全くと言って良い程無いということ.
しかも,非常にポピュラーな言葉であり,既に多くの人(生産者,消費者,評論家等)に浸透していること.
スピリッツや,ビールに,「ミネラリティ」という言葉はありません.
これ程までに,強力な言葉を,葬ってしまうのは余りにも勿体無いと思います.
②生産者はこの言葉をワインの中に表現しようと品質向上の努力を促すこと.
例えば,
Agrapart Minéral 2008 Extra Brut Blanc de Blancs Grand Cru
は,ミネラルを表現しようとしているChampagneでしょう.
③ロマンがあること
土壌とワインの味わいの関係は,現在の科学では証明されていません.ただ,科学で解明されていることはそれほど,多い訳ではありませんし,全く否定されたとも限りません.
科学では分析できない何かを人間が感じているのかもしれない.という領域を,殆ど根拠が無いと分かっていながらも残しておくのは結構大切なことだと思います.
ただ,ミネラルという言葉を使うのは使いますが,プロやワイン業界の人は,それが土壌の中のミネラル分がワインの味わいになっている訳では無いことを認識した上で使えば良いと思います.
だって,瓶熟成したワインに対して,
Forest Floor, Mushroom, MeatyというFlavourがありますが,別に腐葉土が入っている訳でも,キノコが入っている訳でも,お肉が入っている訳でもありません.
ミネラルも一緒です,Flintyとか,Wet Stoneと表現したからと言って,土壌のミネラルが入っている訳では無いのと一緒で,表現の一つとして割り切って使えば良いのではないでしょうか?
ワインにミネラル感が現れる原因は、そのぶどうが育った土壌の成分。
なんて,説明している記事もありましたが,そう思ってしまうのも分からないでもありません。
また、そう言われたら信じちゃうのも分かります。
でも、現在は基本的に否定されています。