秋篠寺を出てバスで西大寺駅に戻り近鉄奈良へ。
浄瑠璃寺に行こうと思って観光案内所に行ったら、この時間からだとバスが少なく、行ってすぐに帰ってくることになり、もったいない!と。
そこで、まだ行ったことのない新薬師寺に行くことに。
黄色い市内循環バスに乗り、破石町で下車。
そこからの道はまさに和辻哲郎が「古寺巡礼」に書いた雰囲気がそのまま残っている。
新薬師寺もやはりひっそりとしていた。
和辻哲郎が称賛仕切りの建物。
「銅の正面へ回って少し離れた所から堂全体をながめるに及んで、
このようなすぐれた建築が、どうしてこんな所に隠れているのだろうというような
驚きの情に高まって行く」とある。
夫である聖武天皇の病気平癒を祈願して小明皇后によって建てられた、というから
相当古い。
本堂の中には御本尊の薬師如来とそれを取り囲む十二神将。
薬師如来坐像については、これまた和辻が激賞している。
「木彫でこれほど堂々とした作は、ちょっと外(ほか)にはないと思う。」
すばらしい。
ただ香薬師は昭和初期に盗難にあい、今も行方知らず。レプリカなのが本当に残念。
本堂を出た後は、お庭を歩く。
紫陽花がまだ密やかに咲いていた。