さっきギルドに帰ってきたら、例のおっさんハンターがいた。

テーブルに座って、昼間っから酒かあと思ったらお茶だった。

目が合ったので、「どうも」とニコッと会釈して去ろうとしたら、おっさんは立ち上がって、

「さっきはどうも、ありがとう!キミ、強いね」

と、行先を立ち塞がれたので、これは少し会話をするしかなくなった。

「いえ、別に。あれくらいならなんとも」

勢いに押されるように少し後ずさりながら笑顔をキープ。それ以上近づくな。

よく見るといでたちだけでなく、なかなか顔も渋い。イケメンというのか、トム・クルーズの顔に似てなくもない。トムの目をもう少し中央に寄せた感じの顔をしている。うぇ、タイプじゃない。

「そうかぁ、キミ、ハンター歴長いの?」

「ええ、まあ…でも私なんてまだまだですよ、他のハンターに助けられてばっかりです」

「そうなんだ、ボクもだよ」

会話終わったか?

「お互い、頑張りましょうね、それで」

「ねえ、この後時間、あるかな?良かったら一緒に手伝ってほしい依頼があるんだけど」

人の言葉を遮って喋るトム・クルーズ似のおっさんに若干イラッとしたが、これはまさかゲームでいう新しい展開…新しい冒険が待ち受けているのだろうか。

「どうかな、一緒に」

「ごめんなさい時間ないですわ」

冷徹な微笑みを顔に貼り付けて、偽トム・クルーズが何か言う前に「さようなら」と言って横をすり抜けて行った。


新しい冒険には心躍るが、どこぞのクソとも知らんおっさんと一緒に旅立つ気には全くなれない。

気の知れた仲間か、もしくは一人自由気ままがいちばんだ。