安中市簗瀬にある6世紀初め(古墳時代後期)の前方後円墳。
墳丘の全長は約80m、後円部の直径が50mに対して前方部の幅が約60mで、やや前方部が大きいのが古墳時代後期の特徴である。
しかし、この古墳の一番の特徴は、関東地方の中でもっとも古い時期に造られた横穴式石室である。
大室古墳群の前二子古墳とほぼ同じ時期で、羨道が非常に長い点と、玄室の内部全面にベンガラという顔料が塗られていた点が共通する。
また、市内の後閑3号墳や下増田上田中1・2号墳の石室の作り方に共通性が指摘されている。

簗瀬二子塚古墳の石室(玄室)は一面真っ赤に塗られていた。「赤」には神聖な意味があったようで、土器や埴輪にも塗られている。
あの金井東裏遺跡は、赤い顔料の玉が100個以上見つかったことでも有名。

石室内より「銀層ガラス」が出土した。長さは2㎝ほどで、3つの玉を連結している。
ガラスの間に銀箔をサンドイッチにする高度な技法で、国内での類例は非常に少ない。遠く西アジアからの輸入品か。
(東国文化副読本より)

 住所:群馬県安中市原市1266
 特徴:ガイダンス棟、駐車場有
 撮影:2020年7月25日、2022年8月24日再訪

 

■2020年7月25日撮影

 

■2022年8月24日撮影