年末に取引先から頂いた山積みの手帳に群がる社員

「え、何でそんなもん持って帰るの?」と私は心の中でポロリと呟いた。

 

当時、というか今もそうだが、弊社の社員は自身の予定を手帳に記していた。

なので打合せを設定するにも、毎回、本人に会いに行って手帳を開いてもらう必要があった。

入社したばかりで社内に人脈がない私にとっては最初の話をする良いきっかけではあった。

 

ただ、それも回数を重ねていくにつれて、とても面倒に感じるようになる。

「誰誰さんはいついつ休みで、誰誰さんはいついつ出張…」打合せする相手は

大抵それなりの役職であることが多く、総じて忙しくしていた。

そんな中で、打合せの日取りを決め、安心していたところに第三者による

「誰誰さんにも話に入ってもらおう…」のひとこと。

やっと抑えた日程は流れ、予定は大きくずれ、全ての段取りが狂い始める…

 

そのようなことが続き、口頭で確認ではなく、メールで確認するようにしてみた。

「以下の候補の日時で対応が難しいところを教えてください。」

当然、予定がわからない中でメールを送るので、

指定する日時は数日先になることがマストで

明日にでも行いたい打合せはしぶしぶ聞きに行くしかなかった。

 

まぁ当然だがすぐに返信が来ることも少ない。

そうするとどうなる? それもまた、しぶしぶ聞きに行くのだ。

「すいませーん。メール入れた件ですけど…」

結局のところメールでの確認をするようになった私だったが、

最終的に直接確認することはどうしても避けられなかった。

 

そういった環境にあくせくしながら、入社して早い段階で新卒採用を担当することに

なった私は、「採用とは生ものである」、「鉄は熱いうちに打て」

と候補者との連絡やアクションは早いことに越したことはない

と思う一方で社内の環境によって妨げられてしまうことに憤りを感じていた。

 

そんなさなか、中途採用も本格的に始めなくてはいけなくなってしまったのだ。

私自身に「これでは採用なんか回すことは出来ない」と急な焦りが込み上げてきた。

 

よし、社内のDX化を加速させよう。

「紙で行っている業務」も「壁中に貼ってあるホワイトボード」も

「嬉しそうに持っていく手帳」も全部無くそう。

もともと当社の代表はずっとDX化を進めていきたいと前のめりではあった。

ただ、社員の自主性を尊重していて、

命令ではなくあくまで情報共有にとどまっていた。

 

代表からの「情報」という種は

適した土壌(適性のある社員)に撒かれていて芽もいくらか出ていた。

 

ただ、その出た芽はどこに向かって伸びていけば良いか定まらず、

 

私たちはその苗を、

決まった場所で決まった方向(目標)に向くようにしてあげるだけで良かった。

 

最初の打合せから一カ月ほどで、

まずは、どこが会社として困っているか、

    どうしたらより良い環境で働けるか、

    無駄だと感じていることはないか

 

さんざん意見を出し合った。そうしてみると皆思っていることは似通っていた。
以前より思っていたようだが、

「こういう風にしたい」「もっとここを変えたい」そんな意見はうんと上がった

後から思うと、一人では変えることが出来ないと諦めかけていたのかもしれない。

 

ただ、発足からの一カ月ちょっとで問題定義から現状の理解、

方向性の決定まで進み、その上で各自で動いている。

 

今までは漠然と、「DX化しなきゃね」だった状況が、

具体化され「来週にはアカウントの移管が…」

     「6月にはスケジュール管理をWEB上で…それまでに社内への展開が…」

 

話はどんどん具体的になって、当初はDX化を進めるチームのみでまずはやってみようと言っていたはずなのに、すでに全社導入に向け予定が組まれている。

 

私は皆さんとこの3Ch.プロジェクトを進めるにあたり、意識した言葉がある。
Yes We Can!

「我々なら変えられます。何とかできます。だって直近も変えることが出来たじゃないですか。」

そう。これから我々は少しずつ小さな成功談を積み重ねて、チャレンジする土壌を作っていくことで

社長の種まきも大きな行動の起源となる。
そう信じて、まずは3Ch.プロジェクトならびにいきいき推進室の地道な活動を続けていく。


3Ch.プロジェクトの由来

「Challenge」、「Chain」、「Change」の3つのChの行動指針
挑戦を通して、社員に伝播させ、会社を変革していく