今回は『美濃天狗』というお酒です。



 
 『美濃天狗』は岐阜県可児市の地酒ですね。銘の由来は岐阜県美濃加茂市にある古井の天狗山(こびのてんぐさん)から。お願い事の神様して知られており、山頂に立つ天狗像は高さ12メートルの日本一の大天狗なのだとか。
 ただしこの銘柄、岐阜県以外ではあまり流通されていないのだそうです。こうした日本酒はもっと持ち上げられるべきもので、地元で盛り上げていきながら地元に根差した"地酒"として心に留めたいものですよね。
 


 精米歩合は55%と吟醸スペック。原酒であるそうですが度数は16度と抑えられています。
 では、飲んでみましょう。 

 上立ち香はしっかり出ています。吟醸香。
 含んでみると、甘辛中心の味わい。最近の生原酒にありがちなフルーティーさも控えめの米の旨味重視のタイプ。酸味も穏やかです。砂糖的な甘味がじんわり広がりながら、辛味が内からやってくる感じで、舌に微少な刺激を与えながら切れていく感じです。
 それらの要素が上手く合致するためか、このお酒はなんと言っても"飲みやすさ"が魅力。開けたてのファーストアタックにケミカルな感じもありましたがすぐに和らぎ、生原酒にも関わらずグイグイ行けてしまいます。
 300mlなんてすぐ無くなっちゃう!じっくりテイスティングするには量が少なすぎるなぁ。
 
 可児に来た方は、お土産にこの『美濃天狗』はお勧めかもしれませんね。
 もう一本どこかのタイミングで買おうかな。28BYと29BYじゃ違ってくるだろうし。