今回のお酒は『小左衛門』というお酒です。

このラベルの主張が大きすぎてですね……
一瞬何かと思いましたが、どうもこれは稲の根っこ、だとのこと。

でも、僕はこのお酒は"稲妻"がモチーフじゃないのかと思うんです。
雷雨は稲を育てることもあり、稲にとって大切なものだからこそ雷には"稲妻"という言葉が当てられているのです。
そして、このラベルもどこか"稲妻"に似ている感じもありますしね。
加えて稲(イネ)というのは、古語では"命の根"という意味を持ち、米(ヨネ)という言葉も"世の根"という意味があるとか。すると
「命の根=稲妻」
という図式も成立します。そこまで考えたデザインじゃないのかって脱帽するほどでした。
ちなみにこのお酒を飲んだあと、『小左衛門』の中島醸造様の方にもお会いしたことがあるのですが、この話をしたところ「『根っこ』のラベルは確かに稲妻にも見えますよね。言われてみたらそうかもしれません」とは仰ってましが、詳しくは良く分からないとのこと(むしろ『根っこ』を買ってる奴がいると驚かれてしまいましたね。『根っこ』は特約店限定だもんで)。

さて、話を戻しまして『根っこ』のスペックをば。
お米品種:出羽燦々100%使用
精米歩合:57%
蔵内処理:生
アルコール%:17度
日本酒度:+2
酸:1.6
度数から考えてもおそらく生原酒でしょうね。
飲んだ感想ですが、上立ち香は少し酢酸エチルの混ざったメロンのような香り。 含むと来るのはシュワシュワ微炭酸による小粒の酸味の連射。これが舌にピリピリと刺激を与えてくる感じ。やっぱり稲妻じゃないか。
少し酢酸エチル的な苦味がありながらも、酸味がなかなか伸びのいい感じで、染み入るような落ち着いた味わいです。最近流行りの白ワイン的なお酒ってやつですかね。
常温に近づくと……おっ、杏仁豆腐的な甘味が湧いてきたぞ?メロン的な味わいもしっかり出るように。
堅実にモダンなお酒だったなぁ。なんて。
あと、中島醸造様から直接買ったのはこちらのひやおろし。
お土産として友人に持っていきました。
勿論僕も飲んだうえでのことです。美山錦らしい端正な味わいで、食中酒にはピッタリの米の旨味重視のお酒ですね。