書きためてる……
と、失礼致しました。今回はこちらの『一白水成(いっぱくすいせい)』です。
最近は有名になってきている銘柄ですね。「白い米と水から成る一番旨い酒」という意味だそうで、自負の感じられる銘名。
ラベルには表記されていませんが、使用米は秋田県の契約栽培米である吟の精という酒米、酵母は秋田県酵母だそうです。まさにオール秋田、地酒の王道。
真っ向勝負のお酒ということですかね。シンプルで大いに結構。早速感想といきましょう。
上立ち香は甘い蜜のような吟醸香がそこそこ。
含んだ瞬間、第一に酸味が突き刺さってきました。かなりの切れ味ある酸味です。『醸し人九平次』にも似たような感じ。
若干の乳酸が混ざったミルキーでシロップのような甘味が下から湧いてくる印象。余韻も長く、酸味が伸びて酸味由来の辛味を帯びながら徐々に消えていくかたちです。
全体を構成する酸味の効果でまったりさと爽やかさの両立を成すテクニカルなお酒ですね。まさに米と水の物語。
2日経ってからのほうが、酸味と旨味が噛み合ってていい感じ。味わいはバニラの如し。
今流行りなのかなぁ……この杏仁豆腐的な味わいって。ダレたお酒になるおそれもある味わいでしたが、1日目では強い酸味が流してくれて、2日目ではバランスがとれて良かったなぁ。
最近飲んだなかで近いと思ったのが『獺祭50』で、『獺祭』に酸味が乗ったらこんな感じじゃないかと思います。
しかし、酸味のあるお酒は旨味といかに歯車が合うかが大事なんだなぁ。この「歯車が合う」タイミングに会え、かつそのプロセスを追うことができたのは幸運だったのかも。
今日は七夕。七夕は雲の無い夜空じゃなければ寂しいですからね。いい条件が噛み合うかどうかは天のみぞ知る、か……