僕の住む岡崎市は、かつて三河国と言われていたところ。
その三河を代表する地酒といえば、まずはこの『蓬莱泉』(関谷醸造)を無しには語れません。

関谷醸造は愛知県北設楽郡設楽町の蔵本。戦国時代では武田家や徳川家が領地の奪い合いをしていた地域のひとつで、南の新城市はかの有名な長篠の合戦があったところです。
様々な銘酒を出しており、そのどれもが特徴的で違った顔を持っていることもあり僕もお気に入りの蔵本ですね。

原材料:米(国産)
米麹(国産米)
焼酎(自社製アルコール)
使用米:麹米:酒造好適米(精米歩合60%)
掛米:一般米(精米歩合60%)
アルコール度数:15度以上 16度未満
(QRコードの商品情報より抜粋)
今回注目したいところはこの「焼酎(自社製アルコール)」という記述です。
そういえば少し前、アル添のことについて調べていたときがあったのです。
戦中戦後の困窮の時代が三増酒を生み出した背景も含めてです。醸造アルコール等で日本酒を3倍に増やした結果日本酒本来の味が薄まり添加物ばかりとなった粗悪な酒のことですね。この影響により日本酒業界は品質低下の悪循環に陥り、三増酒の撲滅までには2006年の酒税法改正を待たねばならなかったとか。
ですが調べてみると、アル添、すなわち「醸造アルコール」というものは元を辿ると江戸時代にお酒の腐敗を防ぐために用いていた柱焼酎と呼ばれるものに由来を持っていると知りました。
参考
『柱焼酎 ― Wikipedia』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B1%E7%84%BC%E9%85%8E
(Wikipediaより)
柱焼酎の技術は日本酒の品質を保つために生み出された知恵と言えます。もっとも今では冷蔵庫もあるだけでなく火入れなどの技術も発展して腐りにくくなったため、純米や生酒でも昔より品質を保ちやすくなりましたけど。
話を戻します。『蓬莱泉』のラベル説明には
「このお酒は酒粕を蒸留した自社製焼酎を添加しました
原材料を循環させて使い切る、関谷醸造の新たな取り組みです」
とあります。この「酒粕を蒸留した自社製焼酎」とは粕取り焼酎(戦後に出回ったカストリ酒とは違います)のことであり、これはまさに「柱焼酎」そのものです。
新たな取り組みであると同時に、江戸時代から続く伝統的な柱焼酎の技法を用いていると言えるのかもしれません。
アル添を否定するわけではありませんけど、醸造アルコールという言葉だけだったらサトウキビでもトウモロコシでも麦でも芋でも市販の甲種焼酎でも合成して作ったエチルアルコールでもいいという話になってきます(暴論かもしれませんが)。
人によっては「米でできた日本酒に異物は必要ない」と思う人もいるはず。それに三増酒の悪名も高いことでしょう。
なので思うのですが、「醸造アルコール」という曖昧模糊とした言葉を使うよりは、この『蓬莱泉』のように「お米を無駄にしないために自社製の焼酎を入れてます」「原材料はすべて米由来です」と堂々と宣言しているほうが筋が通っていますよね。
アルコールを上手く添加すると香りや舌触りを良くする効果や味わいをシャープにする効果もあるため、アル添にもいいお酒は多いです。なので僕としましては、こうした『蓬莱泉』のスタイルはアル添のお酒を正当に評価するうえでも応援すべきだと思います。
では感想ですが、
なるほどなぁ……このソリッドな感じ、確かに焼酎っぽい感じもあります。
すべて米由来のためなのか雑味を感じず、するすると入ってきます。
熱燗にすると鋭い辛味が突き抜けてくる!これは辛口が好きならたまらないかもです。
個人的にはぬる燗が丁度いい感じでした。米の旨味がはっきり出てくる温度です。酸の伸びもいい感じ。
江戸時代の人々はこういうお酒を飲んでたんだろうな……うん、しっかりと米らしい感じがいいじゃないか!

ちなみに、『蓬莱泉』はセブン系列でも買うことができます。
東海地方でしか買えないセブンプレミアム牛どて煮と合わせました。八丁味噌と相性がいい辺り愛知県らしいなぁ。
クリックよろしくお願いいたします

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その三河を代表する地酒といえば、まずはこの『蓬莱泉』(関谷醸造)を無しには語れません。

関谷醸造は愛知県北設楽郡設楽町の蔵本。戦国時代では武田家や徳川家が領地の奪い合いをしていた地域のひとつで、南の新城市はかの有名な長篠の合戦があったところです。
様々な銘酒を出しており、そのどれもが特徴的で違った顔を持っていることもあり僕もお気に入りの蔵本ですね。

原材料:米(国産)
米麹(国産米)
焼酎(自社製アルコール)
使用米:麹米:酒造好適米(精米歩合60%)
掛米:一般米(精米歩合60%)
アルコール度数:15度以上 16度未満
(QRコードの商品情報より抜粋)
今回注目したいところはこの「焼酎(自社製アルコール)」という記述です。
そういえば少し前、アル添のことについて調べていたときがあったのです。
戦中戦後の困窮の時代が三増酒を生み出した背景も含めてです。醸造アルコール等で日本酒を3倍に増やした結果日本酒本来の味が薄まり添加物ばかりとなった粗悪な酒のことですね。この影響により日本酒業界は品質低下の悪循環に陥り、三増酒の撲滅までには2006年の酒税法改正を待たねばならなかったとか。
ですが調べてみると、アル添、すなわち「醸造アルコール」というものは元を辿ると江戸時代にお酒の腐敗を防ぐために用いていた柱焼酎と呼ばれるものに由来を持っていると知りました。
参考
『柱焼酎 ― Wikipedia』
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B1%E7%84%BC%E9%85%8E
(Wikipediaより)
柱焼酎の技術は日本酒の品質を保つために生み出された知恵と言えます。もっとも今では冷蔵庫もあるだけでなく火入れなどの技術も発展して腐りにくくなったため、純米や生酒でも昔より品質を保ちやすくなりましたけど。
話を戻します。『蓬莱泉』のラベル説明には
「このお酒は酒粕を蒸留した自社製焼酎を添加しました
原材料を循環させて使い切る、関谷醸造の新たな取り組みです」
とあります。この「酒粕を蒸留した自社製焼酎」とは粕取り焼酎(戦後に出回ったカストリ酒とは違います)のことであり、これはまさに「柱焼酎」そのものです。
新たな取り組みであると同時に、江戸時代から続く伝統的な柱焼酎の技法を用いていると言えるのかもしれません。
アル添を否定するわけではありませんけど、醸造アルコールという言葉だけだったらサトウキビでもトウモロコシでも麦でも芋でも市販の甲種焼酎でも合成して作ったエチルアルコールでもいいという話になってきます(暴論かもしれませんが)。
人によっては「米でできた日本酒に異物は必要ない」と思う人もいるはず。それに三増酒の悪名も高いことでしょう。
なので思うのですが、「醸造アルコール」という曖昧模糊とした言葉を使うよりは、この『蓬莱泉』のように「お米を無駄にしないために自社製の焼酎を入れてます」「原材料はすべて米由来です」と堂々と宣言しているほうが筋が通っていますよね。
アルコールを上手く添加すると香りや舌触りを良くする効果や味わいをシャープにする効果もあるため、アル添にもいいお酒は多いです。なので僕としましては、こうした『蓬莱泉』のスタイルはアル添のお酒を正当に評価するうえでも応援すべきだと思います。
では感想ですが、
なるほどなぁ……このソリッドな感じ、確かに焼酎っぽい感じもあります。
すべて米由来のためなのか雑味を感じず、するすると入ってきます。
熱燗にすると鋭い辛味が突き抜けてくる!これは辛口が好きならたまらないかもです。
個人的にはぬる燗が丁度いい感じでした。米の旨味がはっきり出てくる温度です。酸の伸びもいい感じ。
江戸時代の人々はこういうお酒を飲んでたんだろうな……うん、しっかりと米らしい感じがいいじゃないか!

ちなみに、『蓬莱泉』はセブン系列でも買うことができます。
東海地方でしか買えないセブンプレミアム牛どて煮と合わせました。八丁味噌と相性がいい辺り愛知県らしいなぁ。
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