大観 純米吟醸
原料米…茨城県産米など
精米歩合…58%
アルコール分…15.5%前後
日本酒度…+3.5前後
酸度…1.4前後
使用酵母…(筆者註:記載なし)
特に相性の良い料理…はまちの刺身、揚げだし豆腐、あん肝の共酢あえ

森島酒造公式サイト商品案内より引用)


 茨城の地酒第二弾です。
 今回はこちらの『大観』です。
 まず、当ブログは毎回純米吟醸を挙げていますが、純米のほうがお酒の個性が解りやすく、始めて飲むのに適しているからなんですね。
 アル添を特別嫌っているわけではないので悪しからず。純米のほうが個人的に好みなだけですので。
 
 さて、『大観』の感想ですが
 まず、飲み口は柔らかいです。吟醸香は控目とはいえ、酸味も綺麗に広がる感じ飲み進めるとほどよく辛口のアクセントも効いてきます。
 何より五味のバランスもいいですし、これは食中酒にいいかも!ということで
 



 こちらは昨日の夕飯なのですが、スーパーで安売りしていたものを買ってきたところです。
 とりから焼き鳥たこの酢の物ですね。
 合う料理ですが、あん肝は高いですし、ハマチや揚げ出し豆腐は安ければ買ったんですがね……
 そういう贅沢したいところですがそこは自重ということで。かつお酒も2合ほどのサイズですが、それだけ日本酒があれば気持ちは贅沢です!
 
 
 このお酒は横山大観が名付け、ラベルを揮毫したものです。 
 
参考 横山大観 作品まとめ - NAVER まとめ

 横山大観といえば近代日本画の巨匠です。彼は日本酒を愛飲しており、《酒仙》と呼ばれていたとか。
 そんな彼も、若い頃はお猪口2杯から3杯で真っ赤になってしまう下戸だったそうです。ですが大観の師のひとりである岡倉天心(日本美術振興に貢献した偉人。これまた酒豪のひとりです)が「酒の一升くらい飲めずにどうする」と大観を叱咤し、呑んでは吐くことを繰り返し鍛えられたみたいです。
 そんな横山大観は森島酒造4代目社長とは深い交友があり、彼の名を冠したお酒として『大観』と命名されたそうです。
 けれどもちょっと待て!横山大観の愛した日本酒って広島の『醉心』(醉心山根本店)じゃなかったか!
 
 横山大観と『醉心』とのエピソードは面白いです。昭和初期、大観が醉心山根本店のお酒を買っていたと知り、当時の社長が興味を持ち会ってみたところ「酒づくりも絵をかくのも芸術」と互い意気投合。社長は一生の飲み分を約束し、大観は無償で醉心山根本店に自らの作品を数多く寄贈しました。そして、大観の亡くなるまでの50年来その約束を守り続けた、という話です。
 実際『醉心』は僕も1年ほど前に飲んだことがあります。甘すぎず辛すぎず、飲みやすくてバランスのとれたお酒だと覚えています。こちらもまた機会があれば飲んでみたいお酒ですね。
 
 話を『大観』に戻しますが、きっと横山大観は「『醉心』だけを」飲んでいたわけではなかったと思われます。
 「酒づくりも絵をかくのも芸術」と仰る方です。本当に優れた芸術家というのは審美眼を持っているもので、良いものは本当に良いと五感を使って評価するものです。この森島酒造のお酒が優れた美酒でなければ、酒好きの横山大観が自らのペンネームを与えたりなどしません。
 
 なので、この『大観』もきっと、『醉心』と並んで画伯のお墨付きに違いありません。
 奇しくもどちらも共通しているのが、バランスの優れた飽きのこない味ということなんですよね。
 そりゃ、画伯も惚れますって。ええ。


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