貴族さんへ
今年も5月30日になりました。
1999年からはや24年です、そら自分もおっさんになるわ思います。
最近深夜に現れませんが、そちらはどうですか?お元気ですか?
「俺は死んでるのに元気もなにもあるか!」って笑顔での返しが聞こえてきそうです。
貴族さんの愛した中日ドラゴンズは最下位独走中ですが、まだ死んでません、それどころか新しい才能が次から次へと芽吹いてきて生き変わろうとしています。
今年は嬉しいご報告が2つあります。
あの1999年当時、一生懸命励ましてくれた山﨑武司さんが最近のYoutubeで池田貴族さんのことを話されてました、しかも「友達の・・・」という表現です。ね!嬉しいでしょ。
その武司さんの他、中村武志さん、山本昌さん、井上一樹さん、川又米利さんら中日ドラゴンズのレジェンドやドラゴンズファンの著名人の皆さん(イチローさんは断念しました)にもご参加いただき、ドラゴンズの新しい応援歌をリリースしました。
作詞作曲のくらはしかん先生からお話をいただいたのが2年前で、そこから入念に準備をし、昨年から中日新聞社、中日ドラゴンズ球団関係者の皆様とお話合いを重ね、ご協力いただき、ようやく悲願を達成し世に出しました。
貴族さん生きてたら絶対参加していただきましたが、死んじゃってるから残念でしたね。
僕は、まだ生きてます。
失敗し、ミスを重ね、恥を掻き、一時は自分でも生きてるのかわからない状態にもなりましたが、まだ生きてます。
貴族さんの遺した強烈な生へのメッセージを直撃された身としては生き続けなきゃダメだと思っています。
あのとき、ちょうどコロナ渦のとき「俺が助けてやる」「俺に任せろ」と近づいてきたほとんどは盗人でした、でも本当に助けてくれた人たちもいました。
汚い罵声の中で勇気ある女性から
「パフォーマンス落ちてるとか泣き言ってる時間などない、さっさと私の仕事を取ってこい」
とあるお父様からは
「あんたぁ、こっから復活したらすごいよなぁ・・・」
いくつかの優しさ溢れる言葉をいただきました、最近になってそれをまた思い出せるようになりました。
言葉は平然と人を殺します
言葉は地獄から人を救います
さて
日本はどうでしょうか?
いきいきと輝いて「生きている!」と大声で自信をもって世界に言えるのでしょうか?
ゆっくりと、互いに魂を殺し合っていないでしょうか?
「●●線は人身事故の影響で・・・・」週初めにはまた通勤電車が止まります
自殺者数の割合はG7の中でダントツの1位を継続中
若者の死亡原因の1位は自殺
女性・子供の自殺が増加・・と言っていますが、それは「増加」であってその倍以上男性の自殺者がいます。
この国は、異常です。
どうにかして人を貶めてカネを稼ごうとする週刊誌とネットと、それをバイブルと崇め信仰する人々が我が世の春を満喫するがごとく大手を振って道の真ん中を闊歩しています。
成功者の足を絡めて川に落とす知恵と技術に関しては超一流の国に成り下がりました。
一旦川に落ちたら最後、覆面を被った人たちがどこからか湧いてきて安っぽい正義のプラカードを振りかざし、血だらけになるまで殴ります。赤く染まった川に沈んで見えなくなるまで石をぶつけます。
そして彼らは高揚した気持ち悪い顔で気持ち良さそうにお互いを称え合います
「我々は正義の行いをしているのだ!」と
被害者を探して、被害者を祀り上げ、ときに被害者を捏造してまでも、集団で、言葉で人を殺します。
僕は彼らをこう名付けました
「プロ被害者」
とその生成者です
本来、有名・無名にかかわらず殺人や強盗など重大な罪を犯した人以外は部外者から言葉の集団暴行を受けるべきではありません。ましてや年老いた両親と一家心中する悲劇など絶対に起こってはいけないと考えます。
プロ野球も、梨園も、神事も、学校内での恋愛も
多くのことは当事者同士のみの問題です。密告者と、カネの匂いを嗅ぎつけた週刊誌と、どこからか湧いてくる部外者が騒ぎ立てるべきではないのです。「私も間接的に被害者だ、あなたも被害者だ、被害者はもっと名乗り出るべきだ」平静に暮らしている人たちにとっては余計なお世話でしょう。
今、自殺大国日本で起きているトラブルのほとんどは「シャーデンフロイデ」と「スパイト行動」で説明がつきます。
密告を奨励し、人が壊れていく様子に快楽を覚え、努力して這い上がった者をプロの被害者と生成集団が断罪する、そんな国から、寛容と礼賛をもって称え合う国に戻ってほしいと願っています。
貴族さん、今、あなたが生きていたら、あの鋭い舌鋒で世相を斬りまくってくれるでしょうに。
もはや闘将や闘魂や豪傑の生きる空間と時代はテレビにもラジオにいなくなってしまいました。
でもね
それでも
エンターテインメントの力はすごいですよ
僕らは衣食住の次の商いだから本来は必要ないもの・・・・と自虐的に呟いてました。
でも違ってました、騒ぐな、歌うな、集まるな。コロナを経験した我々は思い知らされました。人間はエンターテインメントなしでは生きられないのです。
「元気があればなんでもできる」猪木さんは最後までこう日本人にメッセージを遺して旅立っていきました。
元気がなければごはんも食べられないし寝られないし外にも出たくありません。
逆転ホームランの大歓声
年老いたスーパースターの力強い歌声
アイドルオタクのミックス
美しい女性の肢体
どれも絶望をなぎ倒し希望の旗を立て日本を元気にしてくれます。
天照大神に天岩戸を開かせたのもエンターテインメントの力です、日本に光を取り戻させたのは古事記の時代からそうだったのです。
現代日本で、アジアで、世界で、池田貴族の生きたエンターテインメントの世界でたくさんの感動を見たいし、もっともっと才能を発掘して世に出し続けたいです。
そして僕自身もまだ挑戦したいことがあります。
来年2024年5月30日は、あの日からついに25年
素晴らしいが報告できるように頑張ります。
それではまた来年
(写真は池田貴族さんと中日スポーツ紙面で対談した星野仙一さんのお墓です)
1999年池田貴族チャリティーLIVE「貴族大生前葬」実行員会事務局長 中村浩一