数年前に「Red child」という個展をして以来、度々赤い子どもを描くようになりました。。。
日本で『赤』は古来より魔除けの色とされている。。。
そんな歴史深い色だとは知るはずもない幼い頃から、色に迷うと私の中の無意識と意識の両方が『赤』を選ぶのです。。
そう言えば今、身の回りを見渡しても、作品はもちろん、ワードローブにもキッチンにも、赤い物が点在する。。。
もちろん、むやみやたらに『赤』を多用するのではなく、自分の中の審美眼と美意識で吟味した『赤』だけが私の生活の一部になる。。。
とにかく洋服や編み物、特別な日のドレスやバッグに至るまで、プライベートでも仕事でも、私にとって赤は特別な存在。。。
それは私の潜在意識が、昔から赤い色を追い求めているからなのかも知れない。。。
幼少期にさかのぼって私にとっての『赤』とは何かを考えてみると、私にとっての赤色は一番最初の「我慢の色」であり、手の届かない「憧れの色」でもあった。。。
母の大切なシャネルの赤い口紅を隠れて塗って、その独特な異国の香りに酔いしれ、鏡の中の自分にうっとりしていた幼い私。。。
母に見つかって、ひどく叱られたけど、嫌な事がある度に、こっそりその口紅を塗ると気持ちを切り替える事が出来た変な子でした。。。
小学校に上がる頃、「赤いランドセルが欲しい!」と言って、親や先生、周りの大人を困らせた事があった。。。、
油性のマジックでどんなに赤色を塗っても、全て漆黒の闇に吸い取られ、黒が赤に変化する事は永遠にないことを悟った。。。
大人になった今も心が折れそうな時や、傷ついた日、自分を奮い立たせたい時は、赤色口紅や赤いドレス、赤いハイヒールに頼る事が多い。。。
作品に『赤』を使うのは、過去の我慢やコンプレックや嫉妬と向き合う為の作業なのかもしれません
。。。
なので赤い作品は様々な複雑な思いが入りこんでしまうのかもしれません。。。