1 私は60代です

 

 帯には「2022年上半期ベストセラー第1位」と書かれていました。

私は60代ですが、今から行く道なので、読んでみようと思ったのです。

 

著者は和田秀樹という精神科の医師ですが、高齢者専門の精神科医として多くの高齢者を診察した経験をもとにこの本は書かれています。

 

70代では運動機能と脳機能の衰えがそれほど進んでいません。70代は老いと闘うときであり、80代は老いを受け入れる時期と言われます。

 

2 前頭葉と男性ホルモン

 

高齢者には、元気な人とそうでない人の大きな健康格差が存在します。運動機能も脳機能も、それを維持するには使い続けることが大切です。

 

ところが、多くの高齢者は何をするにも意欲が低下してしまうことがあります。この原因は、脳の前頭葉の老化と男性ホルモンの減少にあります。

 

70代になると多くの人が仕事からリタイヤし、運動機能や脳機能を使うことが減ってしまいます。できるだけ引退を先送りするとともに、仕事に代わる習慣を持つようにすることが大切です。

 

また、高齢者の事故がよくニュースで報道されることから、免許の自主返納が勧められています。しかし、自動車を運転しなくなると家から出ることが少なくなり、老化が一気に進むおそれがあります。運転をやめた人は運転を続けている人と比較して要介護となる確率が2倍であったという調査結果も出ています。

 

意欲を維持するために必要なことは肉を多く食べることです。意欲低下の原因はセロトニンの減少にありますが、肉を食べることでセロトニンを増やすことができます。

 

肉を食べるとコレステロールが増加しますが、コレステロールは心臓疾患のリスクを上げる悪者だと思われてます。しかし、コレステロールは男性ホルモンの原料となるので、コレステロールを減らすと男性ホルモンが減ってしまいます。男性ホルモンが減ると意欲が減退し、元気のない老人となって、記憶力も低下していくのです。

 

適度な日光浴も意欲低下を防止することに効果があります。セロトニンは光をあびるほど多く作られるからです。

 

また、光を浴びて作られたセロトニンは夜にメラトニンという睡眠ホルモンになってくれ、深い眠りに導いてくれます。

 

3 脳の老化防止

 

前頭葉の老化を防ぐには変化のある生活が必要です。前頭葉は想定外の出来事が起きたときに活性化するからです。毎日、同じことを繰り返していると前頭葉は老化していきます。

 

読書などで知識を得るインプットよりも、知識をアウトプットすることで前頭葉が活性化します。ですから、人と話をすることが大事です。家に閉じこもって誰とも会話しないような生活を続けていると前頭葉はどんどん老化していきます。

 

4 運動機能の維持

 

運動機能を維持するには、当然のことですが、運動を続けることです。

散歩をする習慣、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を使うようにすることが大事です。

 

また、骨折の危険が高い転倒にも気をつけなければなりません。睡眠のために安定剤を使う人がありますが、安定剤には筋弛緩作用があるため、つまづいて転倒するリスクが高くなりますので、注意が必要です。

 

血圧や血糖値を下げる薬も、低血圧や低血糖となって、ふらふらすることがありますので、注意しなければなりません。

 

ダイエットも気をつける必要があります。アメリカのように心臓病が死因のトップである国の場合なら、太りすぎを予防する必要がありますが、日本の死因トップはガンですから、同じような対策は必要ありません。

 

高齢になってからのタンパク質不足は老化を早めるとともに、免疫機能も低下させ、ガンのリスクが高くなってしまいます。

 

本の一部を紹介しましたが、実践できる内容も沢山あるので、チャレンジしたいと思います。