1 予算の取り合い

政治の目的は,人々の幸せと言われますが,何が幸せなのでしょうか。

多くの人は,お金が幸せだと感じていますので,より沢山のお金を与えてくれる人を選挙で選びます。

国政選挙では,地元にどれだけの予算(お金)を持って来ることができるかを競っているようです。

予算を巡って,各都道府県の間で取り合いをし,各省庁間でも取り合いとなっています。

国の税収は限られていますから,片方が増えれば,もう片方は減ることになります。

 

2 国の借金

しかし,減ることは絶対に容認できないのですね。なんとか全員の取り分を増やす方法はないだろうかと考えたのが国債(国の借金)です。

今の時代に生きている人の中で取り合いをしていても限界があるため,未来からお金を取ってくるという発想ですね。

 

同じ時代の中での取り合いだと,競い合う相手があって,思い通りにはなりません。

しかし,未来から持ってくる場合には,未来の人々(赤ん坊)は発言できないし,抵抗する手段を持ちませんから,やりたい放題です。

まるで,赤ん坊のポケットから,大人たちがお菓子(お金)を盗めるだけ盗んでいるようなものです。

その結果,国の借金は膨らみ続けています。今でも膨らんでいますし,これからも膨らんでいきます。

欲望にはキリがありませんから,誰も止めることはできません。

なんとも哀れな話です。

 

3 環境問題

環境問題も同じような構図だと思います。ゴミや環境負荷という問題を放置していますが,これはゴミを未来に捨てているということであり,未来はゴミ捨て場ではないでしょうか。

 

未来の人々(赤ん坊)は発言できませんし,抵抗する手段も持ちません。

まるで,赤ん坊のポケットに,大人たちがお菓子を食べた後のゴミを突っ込んでいるようなものです。悲しいことではないでしょうか。

 

4 政治のあり方

このような問題が生じるのは,我々の欲望があまりにも大きく,キリがないからです。現代の政治家は欲望の産物ですから,政治家が欲望を統制することはできません。

 

賢明な独裁者が政治を行えば,国民に痛みを伴うことも実行できます。借金をしないという方針を立てれば,借金ができることはありませんし,環境規制を強化することも自由にできます。

 

しかし,独裁政治は必ず腐敗していきますので,近代国家は民主主義を選択しました。その結果,大衆の欲望に従って政治が行われることとなり,今の惨憺たる状況となっています。

「もっと智恵を持つべきだ」とか,「身近なところから始めよう」などと言われるようになっており,私も応援していますし,実践もしています。しかし,これらの活動によってく世の中が大きく変わることはないように思います。

人間は欲望から離れることはできませんから,人間が今のような政治を行う以上,事態は悪化していくと思います。

 

5 欲望のない独裁者

選挙や多数決など民主主義の問題点は,アメリカ大統領を持ち出すまでもなく,歴史上すでに証明されています。そうなると腐敗しない独裁者がもっとも好ましいのですが,そんな独裁者はあり得るでしょうか。

 

欲望のないもの,腐敗しないものとして,現時点で考えられるのはAIですね。

欲望や利害得失から離れ,人類が,安全で快適な生活をより長く続けるにはどうすればよいか,AIに考えてもらうのが最適ではないかという気がします。

実際にAI政治家を検討している国もあります。

 

すべての政策をAIに委ねるという「AI新党」が立ち上がったら,一定の支持を得られそうに思いますが,皆さんはどう思われるでしょうか。