小学校に入学してまだ間もない頃、

担任の先生からの指令。

 

片方の、手の平と足の裏に

好きな色の絵の具を塗りましょう。

 

そして、白い画用紙に

私たちは手と足を押し付けた。

 

先生は2年生になっても

持ち上がりだったので

この要領で

2年生の終わりにも同じことをして

入学時と比べどのくらい大きくなったか

成長の型をとった。

 

1年生の春、まるる6歳。

選んだ絵の具の色は黄緑だった。

無心でコショコショ筆を躍らす。

くすぐったいけど気持ちいい。

 

てのひら ぺったん。

あしうら ぺったん。

 

白の上に、

黄緑色の私が乗っかった、、

その直後のことだった。

 

そばにいた男子が私の足型を見て

大きな声で、こう叫んだ。

 

 

せんせー、

まるるちゃんのあし

みんなのあしと

ちがうよーーー!!!

 

 

 

えっ?!

チーンチーンチーンチーンチーン

 

 

先生に耳打ちすればいいのに

教室じゅうに響き渡る声で言うもんだから

みんなが私の足の裏を見に集まった。

 

正確には

私の足型がついた画用紙を見に、、だ。

 

1年生の春、まるる6歳。

土踏まずという存在を

偏平足という言葉を

はじめて知った。

 

先生がそれになんて応えたのか

ギャラリーの反応はどうだったのか

そこは思い出せないけど、

 

その言葉は

あまりにもショッキングだった。

 

私はたぶん、泣きだした。

うん、泣いていた、と思う。

 

みんなの足型を見る。

自分の足型を見る。

 

みんなの足型を見る。

自分の足型を見る。

 

 

なんだよぅ!

みんなのほうが

いびつでへんなかたちじゃないか。

わたしのほうがまともじゃないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

私は家に帰ると

そのことをお母ちゃんに報告した。

このときのことはよく覚えてる。

 

おかあちゃん、

わたしのあしだけ

みんなとちがっておかしいみたいだ。

 

すると、お母ちゃんは

 

お父ちゃんもおじいちゃんも

まるると一緒だよ。

だけん、ひとりじゃないよ。

 

つづけて

お母ちゃんはこんなようなことも言った。

(おそらく、こんなニュアンス)

 

みんなと同じばかりじゃ

つまらんじゃないか?

ちがうっておもしろいことじゃないか?

 

 

1年生の春、まるる6歳。

お母ちゃんにそう言われ

 

みんなと同じことより

自分だけの特別なこと、

それを大切にして歩んでいきたい。

 

こう悟ったかどうかは

さだかではないがw

 

その後、何年も

水泳の時間、プールサイドでは

つねに爪先だけで歩いていた滝汗

 

 

 

 

私は長らく、

子供たちの母校の小学校で

絵本の読み聞かせをしていますが

毎年、1年生に最初に読む本は

個性を大事にしてね!という意味で

これに決めています。

 

森絵都さんの『ぼくだけのこと』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、RUKAから

雲の画像がLINEで送られて来ました。

 

ハートがふたつ浮かんでいたらしいブルーハート

(目を細めて細めて見てくださいね)

 

 

たぶん、こういうことだと思いますちゅー

 

 

そう。

この雲の画像を見ていたら

思い出の扉を開けて

先の、1年生のときの足型の記憶が

出て来たというわけです。

何故か、わかんないけど。。

 

6歳の時の記憶が

よくここまで残ってるなー

と、自分でも思うのですが、、

 

この足型の記憶は、ことあるごとに

何度も、私の脳のなかに現れるんです。

たぶん、私の思い出の記憶のなかで

一番、再生回数が多いんじゃないかな。

 

記憶に残っている思い出や言葉って、、

何度も何度も繰り返し思い出すから、

だから、ずっと忘れないんだそうですね。

 

 

今日はこんな感じでバイバイ