京都最古の寺院『広隆寺』の拝観を終えて
荒電、阪急、烏丸線を乗り継いで竹田駅で下車、
えっちらおっちらと２０分ほど歩いて
次の目的地の城南宮に到着しました。

この時期、城南宮の見所は何と言っても
枝垂れ梅が咲き誇る城南宮神苑です。

城南宮　東鳥居

城南宮の東鳥居は、
江戸時代後期の１８５１年に寄進されたもの。

城南宮は、７９４年の平安京遷都に合わせて
平安京の南方を守護するために
小さなお宮が造営されました。

京の都の東を守護する『八坂神社』。
西を守護する『松尾大社』。
北を守護する『上賀茂神社』。
南を守護する『城南宮』。

これに平安神宮を合わせて
京都五社と呼ばれています。

城南宮摂社　真幡寸神社

東鳥居を潜り、参道を進むと右側にあるのが
ご神紋が徳川家と同じ『三つ葉葵』の
摂社の真幡寸神社（まはたきじんじゃ）。

城南鳥居

城南宮本殿に向かって正面にある
鳥居の鳥居最上部は瓦葺となっていて、
鳥居上部の両側には『菊の御紋』。

鳥居中央上部には、太陽と月と星を合わせた
城南宮の御神紋『三光の紋』が
金具で打たれていて城南鳥居と呼ばれています。

私がこの城南鳥居の前に立ったのが
午後３時半。
城南宮神苑の拝観終了時刻が
午後４時半。

城南宮の神苑には趣が異なった５つの庭があるので
全ての神苑を観賞出来ずに終わる可能性もあるので
少しだけ観賞ペースを上げることにします。

最初は小さなお宮だった城南宮。

その周辺を取り囲むように
白河天皇が鳥羽離宮を造営したことで
城南宮は離宮の一部となり、
秋の城南祭が盛大に行われるようになりました。

離宮の鎮守社として
代々の天皇や上皇の行幸があり、
後に京都御所の裏鬼門を護る神となったことから
方位の災いが無いようにと願って行う
方違（かたたがえ）の宿泊所に
離宮が選ばれることが多くなり、
方除け、厄除けの神としても
信仰されるようになりました。

城南宮神苑　春の山

白河上皇は、城南離宮を築く際に
『源氏物語』に描かれた光源氏の大邸宅『六条院』を
真似て春の山や秋の山を築き、
四季の景色に優れた離宮を造営しました。

北野天満宮の『花の庭』の梅の開花状況は、
五分咲き程度の感がありましたが
城南宮『神苑の春の山』の枝垂れ梅は、
８分咲き以上の見事な咲きっぷりでした。

咲き誇る枝垂れ梅と石灯籠と小川。

神苑の最初の撮影スポットでは、沢山の人が留まり
何度もシャッターを切っていました。

枝垂れ梅と落ち椿

神苑の春の山エリアを抜けて
本殿の裏側に入った所では
多くの椿の花が見られるようです。

私が訪れたこの日は、時期が遅いのか早いのか、
咲いている椿の花は僅かでした。

本殿の東側には、小さな祠に
御神木の根元が保存されています。

神楽殿　神苑側（東側）

城南宮神苑　平安の庭

平安の庭は、
平安貴族の邸宅に作られた庭を写した庭。

寝殿造を採り入れた神楽殿の南東にある
池泉には中島があり
段落ちの滝から水が注ぎこんでいます。

神楽殿を寝殿として、その南東に池泉を配し、
参道を挟んで庭園が作庭し、
平安時代の貴族の邸宅から眺める
『寝殿造の庭園』を模しています。

池泉から参道を挟んだ所に
水切石が配置され小川が流れる苔庭があります。

池泉庭園を先へと進むと
曲水の宴が行われる苔庭が広がっています。

曲水の宴は、庭園の緩やかに流れる小川の淵に
参宴者が座り流れてくる盃が
自分の前を通り過ぎるまでに詩歌を詠み、

盃の酒を飲んで次へと流し、
別堂で詠んだ詩歌を披露する行事。

城南宮神苑　桃山の庭

城南宮神苑　室町の庭

室町時代の様式で作られた池泉回遊式の庭園。

池の中央には、
不老長寿を象徴する松が生える蓬莱島があり、
向こう岸には、
仏の世界を表す三尊石の石組が施されています。

城南宮神苑　茶室『楽水軒』

茶道、生け花、能楽等の日本文化が大成した
室町時代を象徴した茶室『楽水軒』があります。

本来なら茶室『楽水軒』では
巫女さんが給仕してくれる
お茶とお菓子を味わいながら
庭園を観賞できるようですが
感染拡大防止のために閉じられていました。

まあ今回は、例え営まれていたとしても
神苑観賞の時間の余裕がなく無理だったので
結果は、同じなんですよね。

城南宮神苑　室町の庭　錦鏡池

室町の庭　錦鏡池　男滝

この時点で時刻は、
午後４時３０分を少し過ぎてしまい
もう一つの庭『城南離宮の庭』の観賞が
出来なかったのは残念ではあるのですが
城南宮の神苑に来る理由が出来ました。

城南宮神苑を出て、
城南宮境内の拝観へと向かいます。

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