9月14日に申し入れた神戸電鉄への要望について、懇談を行いました。 | 神戸電鉄「粟生線の会」のブログ

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神戸電鉄粟生線の存続を求めて活動している沿線住民有志の会の「神鉄粟生線を残して」の発信を行っています。

9月25日、神戸電鉄の鈴蘭台駅の神鉄鉄道事業本部に北区と西区の会員が10数名参加して、要望に対する神鉄の回答と、いろんな問題での懇談を行いました。

神鉄側からは、鉄道事業本部松本修治企画部長、畑栄一副本部長・運輸部長、頃安孝雄技術部長が応対されました。

 20150925神鉄との懇談

1、粟生線活性化協議会の3月の北井会長(三木副市長)の辞任について、神戸電鉄は事前に事務方に「連携計画」の強化のための神鉄側の提案についての資料提出を申し出ていがが、北井会長には伝わっておらず「私の許可しない資料が提出された」として辞任された。このことについて、神鉄側の落ち度はなかった。などと、経過と考え方についてお話が合った。

 

2、さらなる公的な支援を行ううえで、市民の理解と納得を得るための神鉄の努力の強化について

いまの経営状況では、安全対策第一で、その次に定時運行。利用者の神鉄信頼に一番つながるサービス改善にまで手が回らないのが現状。

しかし、安全対策への努力で、以前の災害に弱い神鉄という弱点は少しは克服してきた。

兵庫県と神戸市、三木市、小野市などの40億円無利子貸付の支援で求められた神鉄の企業努力については、3億円ていど実績をあげて支援前12億円の赤字だったのを9億円の赤字にまでしている。この間、努力をしたが、一方で東北大震災後電気代が2回値上げされ、7億から10億円となり大幅な支出増のなかでの改善であった。ダイヤ削減やサービスカット、給料カットなどを行わなかったらもっと費用が多くかかった。

来年春から6000系の3両編成の車両を投入する計画だが、この電車は赤と白の1000系の車両に比べて60%電気を節約できる車両、走るのを楽しみにしてほしい。

少しでも市民の方に神鉄のことを知ってもらいたいと、セミナーをやりイベントにとりくんでいる。呼んでもらえば出かける。企業としての努力はまだまだと思われていることもあると思うのでさらに頑張りたい。

 

3、国や県、自治体の支援について

国は安全対策(一時期は改札機の更新など設備への補助もやっていた時期があるが)に1.5億円出してくれ、その後さらに上積みされている。兵庫県と3市からも支援を受けて安全対策にとりくんでいる。加古川や美嚢川の橋脚の根元が数年前の台風による大雨の出水で掘られ数千万円の工事を行った。法面の崩壊防止の工事も多額の費用がかかる。

車両の更新への補助も古くなった車両の代替更新には出るようになって助かっている。

 

4、粟生線の今後について

活性化協議会の連携計画で、年700万人利用目標が、実質640万人と60万人未達成で、企業努力も限界、公共交通でやめることはできない。3つの提案をした。①交通の再編や、②まちづくり、③活性化協議会の委員に利用者や学校、商工業関係者など。実際利用されている人を入れてほしいという提案。まちづくりなどは三木市などのやっておられることを批判すると受け止められてギクシャクしていることも出ている。すぐできる委員の見直し提案も実現しないなどしている。

粟生線の600万人利用は、和歌山貴志川線250万人などと比べても多い。道路輸送では混雑が発生してかわることはできない。三木市の緑が丘や自由が丘はニュータウンの出口が少なく、出口で混んで出られなくなる、それを鉄道によって逃がしている。

上下分離は、地方選のとき小野市長さんが検討すると言われたが、三木市長さんはやらないと言われ、三木市議会でも検討すべきだという議員の発言があった。神戸市は、態度を表明しておられないと思うが、神鉄の言っている新スキームは押部谷駅以西で、ほとんどが三木市と小野市の部分ということもあって神戸市はこれに表明しておられないと思う。

神戸市の利用促進にあげておられる鈴蘭台駅再開発は、駅前ロータリー整備や区役所移転などで、多少の利用増となると思うが、劇的に増えるとは考えられない。複合産業団地は、木津駅改修は全部神戸市が費用を負担していただいたが、団地の従業員の10%程度が神鉄利用となっている。300人くらい。神鉄の利用増のためというより、工業団地つくることがあって、たまたまそこを神鉄が走っていたという言う関係で、団地の企業も車で通勤できます、駐車場もつくっているとして従業員を集めておられる。

一方で、兵庫商業高校がなくなるなどのマイナス要因もあり、これをカバーするためにはこの兵商高跡地や区役所跡地の再開発が大事で、求められれば意見を出したい。

これからは、粟生線のあるべき姿、どう残すかの議論をもっとやってほしいとお願いしている。

 

5、神戸市の高齢者むけ「シーパスワン」について、販売窓口が少ない問題は、神戸市のいろんな窓口でも取り扱っていただきたいと思っている。神鉄が実施していた「シルバーパス」は、利用増にならず、安い料金を求めて実際には値引き運賃になってしまい、大赤字だったので継続できなかった。いまの経営では難しい。

シーパスワンは好調のようだが、使える日数が少ないことや、湊川までしか使用できないことなどある。久元神戸市長さんは敬老パスを使えることを考えられたようだが、このための経費が20~30億円かかるとなり磁気カード方式のシーパスワンとなった。

 

以上のようなお話を神鉄側がされた。北区と西区の会としては、この要望書を提出したあとわかった鵯越駅でスマホに夢中になった方がホームと電車のあいだに転落した事故のことも言って安全対策を追加して求めた。

この懇談について、会としてどう受け止めるかはまだ話し合えていないので、話し合うとともに、ここで出されたいろんな問題もこのあと兵庫県や神戸市との懇談で出して、粟生線の再生のために頑張らないといけないと思っている。