秘密結社コバンドーXのチェケラッチョな話です。
古林略してコバです(以下コバ)。近藤略してDOです(以下DO )。
子どもプログラミング教室ITeens Lab.を運営していてこの番組ではいろいろなことを発信しています。

~現代の小学生マッチが使えず~
DO:毎日新聞の9月のニュースです。「現代の小学生82%がマッチを使えず」というニュースがありました。アンケート調査をとった結果、マッチや缶切りを使えない小学生がすごく多い、と。アンケートの事実を伝えてはいるんですがこの見出しや記事の裏には
“最近の子供はスマホとかばっかり使ってて生きていくための力が衰えてるんじゃないの?”
っていう意図が見え隠れする気がしますよね。この記事を読んだ人がそういう風に解釈することを前提としていますね。
コバ:なるほどね。
DO:馬鹿野郎!と言いたい!(笑)
マッチとか缶切りだけで子供の能力を測るような記事を書くなと!笑
そういう意図があるとは確実ではないけどそういう風に捉える人はたくさんいる。
コバ:「最近の小学生はいかんね!マッチもつかいきらんのかい!」みたいに最近の若者は~って言いたい人が言っちゃうってことね。
DO:統計学を使ったコスいやりかたですね。近頃の若いもんはゲームとかばっかりしてダメだ、って言いたい人がこういうの書いてますよね。
マッチが今本当に必要なの?っていうところで、新しいものがいろいろ出てきているのになぜ古い物を使えることがそんなに大事なのか。人が覚えれることのキャパシティももちろんあってその中に古いマッチとかが入らなくなっただけで他に使えるようになってる物はたくさんある。必要なものから順番に覚えていくのが妥当。現代においてマッチの必要性が低いから使ってないだけ。必要性のあるものは子供も使えてる。むしろ親よりも子供の方が使える物はたくさんある。タブレットとかスマホなんかは良い例ですよね。この記事みたいに子供がマッチ使えないのは~みたいに言ってる人達がタブレットやスマホをどんだけ使いこなせるのかってことですよ。自分達のできないことは棚に上げて子供の出来ないことだけを見て最近の子供は~っていうのはこれは卑怯ですよ。

~昔と今~
DO:懐古主義みたいなのって社会に蔓延してると思うんですよ。AL◯AYSみたいな昔の社会は良かった的なやつ。僕はああいうのがすごく害悪だと思う。
二つのもの(昔の子供と今の子供)を比べる時に今の子供の出来ないことと昔の子供の出来ることを比べて昔の子供の方が良い、っていう論調で考えてる。この考え方だと今の子供の出来ることと昔の子供の出来ないことは無視してる。比較するならもっとイーブンにしなきゃいけない。じゃないと建設的な議論にならない。
コバ:マッチの使用量が20年前と比べて今どうなってるかも教えて欲しいよね。
DO:マッチの必要性が変わってないなら使えないのは問題って話に出来ますけどね。こういう記事を出して子供の教育の邪魔をしないで欲しい(笑)

~日本の高校生、親を尊敬と答えたのが最低の37%~
DO:朝日新聞のニュースで日本、アメリカ、中国、韓国でアンケート結果を比べた結果、親を尊敬していると答えたのが最低の37%だったようです。
選択肢が
とてもそう思う
まぁそう思う
あまりそう思わない
全くそう思わない
となっていて日本の回答は「とてもそう思う」、が37%でアメリカは約70%、となっていて日本はとても低い、という風になっています。
「とてもそう思う」と「まぁそう思う」を足して比べると各国であまり差は見られません。つまりこの統計結果から分かるのは日本の高校生が親を尊敬していない、ということではなくて日本人が「とても」という選択肢をあまり選ばない、ということだと思います。「まぁ」とかを選びやすい日本人、「とても」を選びやすいアメリカ人、ということです。統計のミスリードかなと思います。
こうやって「日本の子供は親を尊敬してない」っていう結論を導き出すのはさらに悪い結果を生むことになるんじゃないかと思うので止めていただきたい。
コバ:日本人には「尊敬してますか」って聞く、アメリカ人には「respectしてますか」って聞くからそもそも言葉のニュアンスが少し違う。
DO:「とても」と「very」もどれくらいを表すのが違いますよね。

~「出世したくない」が「出世したい」を上回る~
DO:マイナビの若手社員に対する意識調査ですね。
絶対に出世したい
出来れば出世したいと思っている
出世にはあまりこだわっていない
出世はしたくないと思っている
「絶対に出世したい」と「出来れば出世したいと思っている」をまとめても過半数に達してない。そして「出世にはあまりこだわっていない」と「出世はしたくないと思っている」をまとめるとそれを上回って過半数を超えているので出世したくない方が多い、となっています。
ちょっと待て!(笑)
「出世にはあまりこだわっていない」を「出世したくない」グループに入れて良いのか?
コバ:嘘ついてるじゃん(笑)
DO:草食系男子とか悟り世代とかのレッテルを貼っていくわけですね。
コバ: 「出世にはあまりこだわっていない」を「出世したくない」に入れてるわけでしょ?別物じゃん。
DO:アンケートの取り方でも変わるし。「出世」じゃなくて「ステップアップ」とかに言葉を変えるだけでも結果は変わると思う。

~ニュースで社会の空気感が動く~
DO:ネットのニュースってタイトル(見出し)が命でクリックしてもらえるかどうかだから無茶苦茶なことを言う(笑)
コバ:ほんとそう(笑)
DO:コラムニストも次の仕事もらえるかってとこでPV数を稼ぐのに必死ですから。タイトルだけでもSNSなんかでシェアされますから。先入観 (事実ではなくイメージ)を持ってる人ならタイトルを見ただけでそうだそうだ、って反応してしまいます。自分の意見に沿った記事の内容をあまりしっかりチェックしない。
DO:社会の空気感を作るのが今までなら近い人間(学校や職場や近所の人)やテレビの意見だったけど今はその裾野がとても広くていろんなところから空気感が作られてる。こういう記事一つとっても今の世の中がこうなってるんだ、っていう空気感を作ってる。ニュースが出ることによって実際の社会がそっちに流れていってしまったりする。悪循環になってしまうことがあるのでニュースで世論がどうなっていくのかにもっと責任を持って欲しい。

~容疑者と犯人~
コバ:ニュースですごく思うところがあってニュースを受け取る側も考えなきゃいけないことはあるけど出す方。事件があった時に被害者、加害者、容疑者、被告とかいろいろな言葉が出てくるけどすごく曖昧な扱いの時がある。容疑者に対してニュースキャスターが
「ひどいですね!許せませんね!」
とか言っちゃう。「容疑者」は「犯人」とは違うからね。お前(ニュースキャスター)の方がひどいわ、ってなるよね(笑)
DO:まだ一般人ですからね(笑)
コバ:「容疑がかけられてる人」であって「犯人」とは違うからね。もし実際は犯人じゃなかったとしたら一番の被害者になってしまう。「被告」もそう。訴えられてるだけで罪は確定していないのに悪人扱いして視聴者の感情を煽る。許せないのはお前だ!
DO:ニュアンスで悪人のレッテルを貼ってしまいますからね。そういう情報の扱い方を学校で教えるべき。

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