「名無しの子」
〜始まりの章 〜


弟は愛されていた

なぜ僕は弟とは違うのか

それは僕に特別な力があるように

弟にも備わっていた

弟は「奪う力」を持っていた

一番最初は

親の愛を僕から奪った・・・

だから両親は僕の存在を知ってはいるが

関心がない

僕という存在・記憶は少しづつ

この世界から無くなっていった


弟の名前はこう呼ばれていた

「ハジメ」


僕と弟はまだ生まれたばかりだ

これは6000日前の話だ


始まりの章 完