第三期天鳳名人戦 第7節 危険スジ | こばごうのコレ切ってアレ食って

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小林剛による天鳳名人戦自戦記など

4回戦南3局。

3着目多井の早いリーチを受けた石橋の手牌。何を切るか?
南320
放銃はしたくないこの局面。

石橋が切ったのは5枚使いのスジである一筒だった。


同じく次巡の小林の手牌。
南321
ここから切ったのは4枚使いの一萬


どちらも無事通過した。



昔からのセオリーに「暗刻の牌は危ない」というのがある。

それは相手が二萬三萬と持っている場合に、一萬がたくさん

見えている場合は相手が完成していない可能性が高いので

待ち牌になりやすいという理屈。ところが、私と石橋は

暗刻どころか4枚や5枚持ちのスジを勝負しているのだ。


確かに危険ではあるのだが、この打ち方の大きなメリットは

何巡も凌げることだ。もっと通りそうな字牌を持っていても

それらを何枚も切るよりは同じ牌を切る続けることのほうが

結果的に安全なのだ。


困ったら端牌の暗刻落とし。

これは最近は常識になりつつある新しいセオリーである。



さらにこの場合の多井の切り順にも注目。
九萬三筒二萬横白

すべて手出しでこの順番。

特に絞ったり決め打ちしたりする必要のないこの点棒状況で

最終手出しが白ならば、二筒三筒二萬三萬といった

未完成ターツが残っている可能性は普段よりは比較的低い。


その読みも含めての対応だったのだ。


そして流局。
南322
多井の手牌はなんと東タンキのチートイツ。

先の手牌から私が東を切っていたらアウトだったのだ(゜Д゜)

危なかったなあ。。。


石橋・小林が同じような考え方で打ち、結果的に

放銃を逃れていたという面白い一局であった。



第三期天鳳名人戦 第7節終了時

1   450.3  18.76  24  7/10/ 4/ 3 2.13 Ⓟ石橋伸洋
2   253.0  10.54  24  7/ 7/ 6/ 4 2.29 Ⓢ福地誠
3   168.7   7.03  24  7/ 6/ 6/ 5 2.38 Ⓟ小林剛
4    73.1   3.05  24  6/ 8/ 4/ 6 2.42 Ⓟ渋川難波
5   -20.0  -0.71  28  6/ 5/11/ 6 2.61 Ⓟ多井隆晴
6  -361.9 -12.92  28  5/ 6/ 8/ 9 2.75 びりびり☆ビリー


次の第8節の結果で決勝に残る4人が決まる。

トータルでは石橋が抜け出し、私は大敗して多井を下回ると

敗退となる。


優勝決定までにはまだ12戦あるけど、最後まで打てるかな・・・!?