さぁ、今年も残すところ3ヶ月。
■月曜日
義父と青葉区の居酒屋Oで飲む。
女性のひとり客も多く、そのほとんどが、アラウンド80。
三味線の先生にやっかんでいるのだろうか、さっちゃんが陰で毒づく。
「なんで、あの女は、ああモテるのかねぇ」
「いつも男にご馳走になってる、たかり女さ」
人生のベテランたちの毒気は、凄い。
今度は横から、ベリー・グッチ!が口癖でとうとうベリー・グッチと呼ばれるようになった83歳のベリー・グッチさんは三味線の先生と同期。
「未亡人になって、20年祝いだわよ!」と叫んでいる。
先立った夫が、これでは浮かばれない。
やがて、ベリー・グッチさんが、先日、健康を害した年下の男と同棲を始めた、その、さっちゃんにからみ始めた。さっちゃんは、グッチより二つ下だという。その差は、判然しない。
「易々と、許すもんじゃないよ、あんた、利用されてんのが、わかんないのかね、ったく」
さっちゃんも負けてない。
「あんた、羨ましいんでしょ、
あたしは、真剣に惚れられてるのさ。妬んでからむんじゃないわよ!」
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170929/16/kobacabana/19/5a/p/o0540096014037852742.png?caw=800)
グラスはノンアル、中身はモルツ。
それでも、笑い声が絶えない。赤提灯が夜風に揺れて、ぼんやりと曇り窓を染める。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170929/16/kobacabana/9a/c8/j/o0540096014037852759.jpg?caw=800)
■火曜日
会社で表彰されたパーティーが終わり、帰り支度をしていたら、役員から飲みに行こうと連絡が入る。
ま、このまま帰っても寝るだけだし、と、指定されたしゃぶしゃぶ屋に行くと、そこには、ドイツ人、エジプト人の役員が既に座っていて、盛り上げ役と鍋奉行のため呼ばれたのがわかった。
いくつになっても、下っ端である。
一番偉い役員から〆の挨拶を英語でやれと無茶振りされ、何とか頑張り、一本締めをやった。
疲れたが、愉快な夜だった。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20170929/16/kobacabana/46/a7/p/o0540096014037852797.png?caw=800)
このブログの読者の中には、なぜあのように醜い体型をしていて平気なのだろうか?ジムの先頭で踊るなんて、美観を汚していると思わないのか?と言う厳しい意見もあるだろう。
そのようなご批判が陰に存在していることは百も承知であるが、ゴルファーが日焼けしているように、
ヤクザの人相が悪いように、教授が世間知らずのように、
酒の席でのみ活躍を期待される我がサラリーマンの運命を考えれば、これは仕方の無い結果なのである。
歯医者が来る日も来る日も口の中ばかり覗き込んでいるように、
僕は毎夜、グラスの縁に唇を寄せて、ウィットの富んだ言葉を探すため、
見てくれが醜くなろうとも、こうして、飲み続けているのである。