許せないこと、譲れないことに立ち向かう力が欲しい ② | kobacabana 3.0

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音楽、食、酒、街、男と女・・・・
日々に感じる雑感を
懸命にまとめています。

小学校4年にあがると、
リトル・リーグに加入している少年K君と確執が生まれた。
僕はなんとも思っていないのだが、
彼が一方的にライバル意識をむきだしにしていた。

クラスで組んでいた野球チームのメンバーのほとんどが、
同学年でありながら、完全に彼の支配下に置かれていた。

エラーをするたびに彼のケツバットを食らうことになる。
僕はこの状況がどうしても許せなかった。
僕は彼のケツバットを完全に拒否したので、
彼は僕を逆恨みし、
いつしか僕には内緒でクラスメートを集め練習するようになった。

いつも練習をする広場を、
僕はある日ひとりで丘から見下ろしていた。
僕の参加しているはずのチームの練習が、
その目の前で繰り広げられていたのだった。

この歳になっても、この悔しさは鮮明に覚えている。
僕は、クラス野球から完全にスポイルされたのだった。

この窮状を悩んだ挙句に担任に相談すると、
O先生は、僕に次のように指示した。

 K君の周りにいる仲間に説得に周り、
 K君の間違いを皆で指摘してあげなさい。

僕はそれ以降、まるで永田町の秘書のように、
毎日毎日クラスメートひとりひとりに頭を下げ、
説得に回った。

その段階においても彼は何も気付かず、
その横暴な態度は日増しにエスカレートしていった。

そして、決定的な日。
ある日の午後、僕はクラスメートを廊下に集め、
手洗いからひとり戻ってくるK君を待った。
K君が廊下の先から僕らの方に戻ってくる。

K君が怪訝そうな顔で僕の前に立ち止まり、
僕は、周りにいるクラスメートに目をやりながら、
K君の横暴な態度、野球チームの私物化に対して、
文句を言った。それが、クラスメートの総意でもある、と。

彼は、その後、急におとなしくなっていった。

続く。