徹子の部屋などで歳老いた女優が出てくると、だいたいは「料理はしないんですの」と誇らしげに語っているが、そう答えることが既に演技なのだと思って聴いている。
低次元な世界でしばしば耳にするのは、
女優ではないにしても、
庭仕事なんて面倒だから庭師に頼んでる、
甘やかされて育ったので周りが何でもしてくれた、
夫は(偉いひとなので)荷物すら運ばない、
牛丼なんて労働者の昼飯、
中元が届きすぎて置き場所がない、
など、本人はマウントのつもりでも、周りからしたら【何一つ自分という存在感が無いヒモ】と見ているものだ。
特に、旦那が荷物を持ったことがない、という御仁には、
「腕を大怪我でもしたですか」と、からかってあげたら、ムスッとして寄ってこなくなった。
こういう害虫駆除の手もあることを、皆さんと共有したい。
低い層の話はこのへんにして、大女優が料理をしない、という風潮のようなものは、とても嘆かわしい。
私が尊敬するのは沢村貞子さんだ。大女優なのに三食料理をしていた。デパ地下で惣菜買って皿に盛るだけの家事詐欺が横行する中、沢村貞子さんは、毎日毎食料理を作り続けたのである。
そして、この私。俳優ではないが、サラリーマンとしては大ベテランであり、デジタル分野のプロフェッショナルだ。そんな私だが、リモート生活では毎日、最低一食は料理する。私のライバルは、ビジネス以外の分野ではマダムたちだ。あれだけハードなレッスンを毎日やり続けているのだから、追いつけるはずもないが、彼女たちより料理が巧い、となれば、ダンス回数では無理にしても、同じ土俵で戦えてるわけである。
ま、彼女たちとは戦うというより同志でもあり、からかったり、いじったりもできるので、私の心の拠り所でもある。
さてこの、歌って踊るサラリーマンの、昨日の昼飯は。
精進カツ丼(糠漬け付き)
油揚をトースターで焦げ目が付くまで焼く。
糠漬けも自作だから、完璧と言うしかない。
しかも美味いのなんのって。
沢村貞子さんの献立の本をまた読みたくなった。
人任せで生き延びるより、自分でも出来る人物に。
嫁に何でもやらせてはならない。家政婦ではないのだ。
弁当作って仕事場に行く人を私はたくさん知っている。その人たちは、とても魅力的なひとばかり。
何もできない夫は、揚げかすにもならないほど、使い途が無い。
即、別れなさい。