今年になってから、プロジェクションマッピングに関する
問合せが圧倒的に増えた。
多分、昨年の後半からクリスマスの頃に
都内や各地でプロジェクションマッピングを
使ったイベントが増え、その圧倒的なインパクトと
美しさに観客が感動した様がテレビなど
マスコミによって報道されたからだろう。
実際、東京駅のリニューアルや
クリスマスでのイベントでは観客が押し寄せ
中止になったりした。
今年に入って札幌雪まつりの時も
途中で中止になった。
それほど集客力のある3Dプロジェクションマッピングだが、
実はこれ技術的には結構大変な手間と労力、
さらには規模によっては莫大なコストをかけた
まさに一大イベントなのである。
ーどこが大変かー
まず屋外の建築物の場合、
3Dプロジェクションマッピングにふさわしい
ロケーション探しが最初にぶち当たる難問だ。
クライアントから、ここでやりたいと言われても、
必ずしも指定された場所では実施できないときがある。
いや、できない場合の方が多い。
◦投影対象物が3Dプロジェクションマッ ピングにふさわしいか。
◦周りの環境(明るさ)
◦交通の妨げにならないか?
(場合により監督官庁や警察への届け出)
◦プロジェクターの投射位置の確保
◦オーディエンスエリアの確保
◦電源の確保(場合によっては電源車 の設置場所の確保)
◦イベント期間中の警備体制の確保等
もっといろいろあるかもしれない。
それらの条件をクリアーした場所でしか実施は難しくなる。
次に大変手間がかかるのが、投影コンテンツの制作だ。
まず、テーマやコンセプトに沿った演出企画やストーリー展開を考える。
それをブラッシュアップしコンテンツ内容を決定する。
次に決定したコンテンツ内容にそって
建物の設計データや写真データから3Dデータを起こす作業だ。
ここに膨大な時間を費やす。
コンテンツが完成した時点で、
本番数日前から現場に赴き夜間に投射テストを行う。
この投射テストまでには現場で使用する
プロジェクターの仕様やメディアサーバ周辺機器などの
システム設計を行う。
ここで使用するプロジェクターは投影面積や
周辺の明るさ環境にもよるが、
基本的に超高輝度なプロジェクターを使用する。
一般的には15000ルーメン~20000ルーメンとなるような
劇的に明るいプロジェクターを投影面積に応じ複数台をスタックしていく。
ここもコストのかかる項目だ。
ざっと以上の内容が3Dプロジェクションマッピングに必要な作業となる。
屋外の巨大建築物などのプロジェクトの場合
1年~半年前から計画や準備が必要だ。
こんな大変な3Dプロジェクションマッピングだからこそ
多くの人に感動を与えマスコミも絶賛する。
しかし、上記のように屋外の建築物対象の
3Dプロジェクションマッピングには驚くほどのコストと
実施までの時間がかかり、なかなか現実的なイベントとして
考えにくいのは事実だ。
しかし、屋外の建築物対象だけが
プロジェクションマッピングではない。
海外では早くからプロジェクションマッピングの可能性を
シミュレーションし様々な取り組みが発表されている。
そこでお気づきだろうか、先ほどからプロジェクションマッピングという
ワードを何度も使ってこの記事を書いているが、その表記に
◦3Dプロジェクションマッピング
◦プロジェクションマッピング
頭に3Dがついているものとそうでないものが実はあるのだ。
読んで字のごとく、3Dがつくのが東京駅などが代表的な例だ。
実際の建物にあわせ3Dで制作したコンテンツを
重ね合わせて投影する手法だ。
それではもう一方の普通のプロジェクションマッピングとは何か?
このテクニックは以前からあったテクニックではあるが、
様々な形のものに
その形に合うようにジャストサイズで
2D映像を投影するテクニックだ。
対象物の形でのマスクで抜いた映像を
プロジェクターで投影する手法なのだ。
最近この二つを混同する話しが多いから
結構ややこしいが、海外は早くからこの二つの手法を
上手く織り交ぜ、場所やコストに応じて使い分けや
ミックスを見事にやっている。
部屋の片隅の段ボール箱がいきなり輝き動き出すとか、
額縁の絵画は実は映像を投影したもので突然様々に変化し
最終的に商品プロモーションになったりだとか、
夜間のショーウインドの中のディスプレイされた
携帯電話とその周りが突然華やかなCGやストリークに
包まれその空間そのものが商品プロモーションになっている例など
YouTubeを検索するとたくさんの作例が出てくる。
インドア2D/3Dプロジェクションマッピングは
大型映像的インパクトこそ屋外の巨大な建物マッピングには
勝てないものの、企画アイデアやコンテンツのフェイク感を
充実することでサプライズ演出は充分可能だ。
ましてアイデア次第でトータルコストは抑えることができ、
実現可能なイベントになりえる。
うちはどちらかと言うと現在このインドアの
2D/3Dプロジェクションマッピングを中心に
ご提案させていただいている。
今年はいろいろな案件かすでに決定していて今からとても楽しみで待ち遠しい。
プロジェクションマッピング
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