アニメ ラブライブ! 二期7巻 ~勝利・友情・努力~ | アラサー、サッカー、オタク。

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男子なら一度は読んだことのあるジャンプの有名な売り文句

「勝利・友情・努力」

困難な状況に打ち勝って手にする勝利

互いを支えあう、温かな友情

苦境から脱する為、自分と闘う姿である努力

どれも人の胸を打つ要素で、作品を通して疑似体験することで
人に多くのものを残してくれます。

そんな勝利、友情、努力、これはラブライブ!にも同じ事が
当てはまる気がします。

ラブライブ!で優勝を目指す姿、一期であれば学校存続を
勝ち取る、というのが勝利にあたるかもしれません。

個性的なキャラクター達が友情を育む事を通して、μ'sとしての
輝きを増していく過程を描く物語。

μ’sとしての危機、個々人が抱える不安やコンプレックスの
葛藤、それを克服しようとする努力。

どれも僕が10代のころに読んだジャンプ漫画と、なんら変わりありません。


今、たくさんの作品が世の中に溢れていますが、人が感動をする
ポイントはそこまで多くない気がしています。

勝利、友情、努力は感動をもたらす要素であり、困難を乗り越える為の
成長や心の葛藤を描きやすいもので、その要素を作品にどう含め、どう
新しく見せるか、そういった工夫を凝らすことが、作品に求められています。

ラブライブ!では、高校生、アイドル、といった他作品でもありそうな要素に
他作品との差別化につながるような工夫が重ねられたから、大きな人気を
得られたのではないでしょうか。


もちろん、ネガティブな要因がないわけではないと思います。

一番気がかりなのは、物語の展開があまり論理的ではない、ということでしょうか。

他のアイドルグループとして描かれているのはアライズだけ、そのアライズが
スクールアイドルで一番だから、そこを乗り越えれば最高のスクールアイドル、
とするのかなりざっくりした展開であるようにも感じます。

映画でも、後半になるに連れて時間感覚が麻痺して、物語に論理を持ち込もうと
すると、もやもやしてしまう可能性があったりします。


ただ、いろいろと制約がある中で作られるアニメーションにおいて、全てを
完璧に網羅することは非常に困難です。

気になる点を自覚しつつ、それに勝る魅力を描くことで作品を成立させればよい
気がしています。

僕が考える、ラブライブ!が人気を得られた要素をそれぞれ紹介したいと思います。


まず、「スクールアイドル」という物語を期間限定、終わりがある事を示唆する
要素です。プロ野球は見ないけど、甲子園は観る、という方が存在するように、
限られた時間の中で仲間と勝利に向かって努力する姿は、応援する気持ちを強くし、
見ている人に感動を与えます。

次に「学校廃校」というキャラクターが団結する要素です。また、敵役となるような
ライバルアイドルを据えなかったことで、作品の中から人に対する嫌悪感を排除する
事に成功していると感じています。対相手、との心の葛藤ではなく、対自分、自分たち
との葛藤にすることで、キャラクターの内面を掘り下げる機会が増え、それが結果として
キャラクターの魅力に触れるきっかけになった気がします。

アイドル自体の魅力、ではなく「アイドル同士の友情」を中心に描いたことも、
作品の感動を強くしています。アイドルだから輝ける、というよりも、アイドル活動を
通して、キャラクター同士で支えあうこと、キャラクター単体ではなく、他キャラクター
との関係性の中での魅力を描く場面が多かったことが、力を合わせて困難を乗り越える
ことの美しさを描いたことが、作品の魅力の一部であると思います。

最後に、男性キャラクターを排除することで、女性キャラクター同士の友情だけに
意識が向くようなストーリーにしているくれました。キャラクターを増やす、作品の
中に要素を増やすことは、それだけ情報が増えることにつながります。情報が増える
ことは一つ一つの要素に集中できない環境を生み出します。今作では、その取捨選択が
良い方に広がったのではないでしょうか。


二期、7巻を見て、あらためてラブライブ!が素敵な作品であることを感じました。

久しく見ていない一期も見直したり、ライブ映像を観たり、まだまだ作品を深く
掘り下げて、その魅力を感じられたらと思います。