白い馬 |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

美形馬
タテガミ、特に前髪が長い馬はイケメン。


アートラッシュの企画展『少年』に飛び入り参加した時のこと。
「美少年といえば誰だと思う?」
と店主に質問を投げかけたところ
「美輪明宏」と即答。
「うーん。遠いなぁ。昔やなぁ。今でいうと?」
「キムタク…ちょっと違うなぁ。少年じゃないし。
 ヤギちゃん、君は誰だと思う?」
「うーん。・・・ピーターの若い頃。・・・ジュリー。」
「ふるっ」
ようするに私も店主も時代遅れ。

ふたりの会話をきいていた友人に話題をふったところ
「やっぱ今だとジャニーズ系かな」と言う。
「誰? なんていう名前?」と私がきくと
「名前はわかんないや・・・」
「そうやなぁ。ジャニーズって束で売り出すからねぇ。
 ひとりを限定するのはムズカシイよなぁ。」

結局、現在の美少年をあげることは出来ず、
情報が溢れてスター性が乏しくなった今日では、
「真の美少年」は存在しないという結論に着地。
流行に乗れない輩の苦し紛れという気もしたけど、
ラモリスのモノクロ映画『白い馬』を観たとき、
あながち間違いではないと思った。

紛れもない美少年がそこにいた!
押しも押されぬ麗しさ!
1952年の映画! やはり、そうか!

『白い馬』で確信した美少年の五つの条件。
1。謎めいている。
1。不幸を背負っている。
1。馬が似合う。(特に白馬)
1。10代である。
1。前髪が長い。

映画は「白馬」が出てくることから、
詩を映像に移行したもの、詩そのもの。
ただ、モノクロで映される情感があまりに美しすぎて、
私にはちょっびっと たいくつ、
ところどころでウトウトと居眠りしてしまった。

どのショットを切り抜いても
「写真」として成立しそうな、あまりに完璧なモノクロ世界、
「ゆるさ」が好みの私は拒否ってしまったみたい。
主人公の少年も美少年過ぎ。目の保養にはいいけど
長く観るには物足りない。40分という短編が助長にすら思えた。
監督のラモリスという人は、
写真家が向いているんじゃないのかな?
と思っていたら、映画館に張り出されていた映画評によると
この人はホントに写真家だった。

『白い馬』を観た後、
同時併映の『赤い風船』を観た。
こちらはカラー作品で、やはり詩的な作品だったが
色があることで現実味を感じたのだろう、
無駄なくらい共感してしまった。

今や、美少年は絶滅種なのか?
美少年五つの条件を満たす少年、いたら出てきなさーい!
トキのごとく保護しなければっ。

2008/8/20 シネスイッチ銀座にて鑑賞

やぎ座 5*

★★★★☆☆☆
『赤い風船』『白い馬』公式サイト
『赤い風船』と併映。東京での公開は10/10まで。

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