職場のボスは言う。
ゆっくり丁寧は当たり前、
誰にだってできる。
早く丁寧にできてこそ、プロだ。
本当にそうだろうか。
仕事の種類にもよるけれど、
本当に丁寧に創られたものには感動がある
近頃、そんなことを思う。
たとえば、
『f』という名の喫茶店。
その店のミルクティーは
レギュラーコーヒーなどに比べると
テーブルに運ばれてくるのに時間がかかる、
けれど紅茶の香りに鼻をくすぐられ、
ゆっくりミルクを落とし、口に含むと
「美味しい」
咽がつぶやき、目尻がさがる。
なるほど。ボスの言う通り
「早く丁寧に」はプロの仕事。
けれど『f』のミルクティーのように、
もてなしの心を忘れずにいたい。
感動を創るのなら
時間と競うのではなく、
時間と戯れる余裕がほしい。
いろんな人がいますよ、ボス。