ウサ氏のジンジャーエールの話 |  ◆ R I N G O * H A N

 ◆ R I N G O * H A N

歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

ウサシ適度なアルコールは医学以上の妙薬、いつだったかそんな話をきいた。それを実感したのが『f』という喫茶店でのこと。
『f』ではいつも決まってジンジャーエールを飲む。あたしの前には だまっていてもジンジャーエールがやってくる。だからあの日も何の疑いもなく、目の前に置かれた細長いグラスを口にした。帰る頃、なんだかポッポッポッと身体の芯が、気泡でも弾けるような感じに明るいので、「今日のは とびっきりジンジャーエールが美味しいね」と店主に言うと、なんとそれはジンジャーエールではなかった。

シャンディーガフ。
少しのビールをジンジャーエールで満たした軽いカクテル。
あたしはそれをジンジャーエールだと信じて飲み干した。

お酒を飲むと目が真っ赤になってしまうあたしは、
滅多なことでは飲まないのだけれど。
あの日、『f』のドアを開けたとき
やりたいことが うまくいかないイライラのせいで
すでに目は真っ赤っか。それが、
帰る頃にはスッキリ澄んでいたのは、
喫茶店のメニューにはないはずの、
黙って出されたシャンディーガフという妙薬のせいだと、
ある初冬の朝、ウサ氏は私のところへ
少し長いメールくれた。


●home