ブルース・マクルアー上映パフォーマンス |  ◆ R I N G O * H A N

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歌うパステル画家5*SEASON鈴御はんの蒼いブログショー

画面構築


4方向から白を画面に描写。
WEBでは 分かりにくいかも…。でも
想像して。暗い壁に4方向から光が当たり、
ひとつのスクリーンが作られていく様。


ここのところ
価値観という言葉をしょっちゅう使ってるけど、
今日話題にする マクルアーの
映像パフォーマンスも あたしの価値観を逆転させた。
正確には価値観というか、
着眼点といった方がいいような気もするけど、
とにかく、こんな人もいるんだと溜息。

マクルアーの映像作品も、
『イメージフォーラムフェスティバル2005』で観賞。
パフォーマンスが始まる前に、
作家によるスピーチがあり、
それによると彼は映像作家というよりも むしろ、
映像技師と呼んでもらった方が嬉しいとのこと。
というのもマクルアーという作家は、
映像を創作したり、情景を撮影することよりも
映写機の光に興味を傾け、
また映写技術に制作の中心をおいているから。

マクルアーのパフォーマンスを観て、
まず「へーっ」と思ったのが、4つの映写機を、
せーの!で回して、同時に映写するということ。
スクリーンには4つの光源から放たれた映像が
ひとつに混合されて次々に移ろっていく。
泡のようなものが画面に映され、どうやら それは
フィルムの上にプリントされた“インクのシミ”らしい。
“インクのシミ”は他の3本にもプリントしてあり、
これらを合わせた映像に音声が響く、
ストーリーは なく、延々と“現象”が続く。
時間にして14分。途中で睡魔に襲われ。ZZZZ....

マクルアーはこのような映像創作を
映画館で ひらめいたという。
ほら、ときどき映画を観ていると、
ポンッ! とか、ミシッ!とかいう破裂音が聞こえ、
チラチラと画面にも チラ付きが入る、こんな現象、
多くの人が何度か目撃されたことがありましょう、
マクルアーの風変わりな制作は、
その「ポンッ! ミシッ!」がヒントだそう。
あの現象は、フィルムにキズがあるとか
ゴミが入っているとか、そういう類のものではなくて、
どうやら映写機の悪戯で、
マクルガーは その悪戯を探究し、
自己の世界を形成していったそうだ。
ふぅ。あんな…といっては失礼だけど、いってしまうと、
あたしは気にも止めなかった「あんな些細な現象」から、
とんでもなくユニークな発想をする人が、
世の中にはいるんだと感心した。
限りなく無意味な世界に万歳!
うーん、世の中は広いなぁ。

さらにマクルガーは映写機の技術だけでなく、
フィルムの裏表や、縦横など方向にも興味をもち、
結果として太陽の光を使わず、
映写機の光で映像を作ることに価値を見い出した。
彼がいうには 太陽は嘘つきだそうだ。
ふーん。

彼の発想はユニークだし、
独創性もあるし、敬意も表したいけれど、
あのような抽象的な『実験映像』を合計90分
おとなしく鎮座して観るとなると、かなりキツイ。
3分の1ぐらいは寝てしまった。とはいえ、
パフォーマンスの後のマクルガ-自身による
質議応答が作品解説になったし、おもしろかった。
そういえば「マクルガーの作品解説」というプリントを
開場時にもらったけど、そこに書いてある内容は
あたしの頭の能力では 漠然としか理解できない。
マクルガーは頭が良すぎるのだろーか。。。
参考までにマクルガ-の“ビジュアル”はというと、
190センチぐらいのヒョロンとした長身で、
金髪、メガネ。30代後半ぐらい。
アメリカのアキバ系ってやつかもしれん。

★★★★☆☆☆ 7点満点で4点
会場の後方で、グルグル回転する映写機が、
ズラリと並んでいた様子がインパクトあった。
で、『イメージウォーラム2005』は結局、
全21プログラム中2本しか観られなかった。さみし-。

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コマ犬の相方・でこの近況
今度は睡魔に襲われ、腐った菜っ葉みたいに、
グッタリ寝ているそうじゃ。寝る子は育つというし、
猛犬でこ号もビッグに育ち、
やがて猛獣となって復帰するでしょう、
その日をビクビクして待ちましょうぞ。

●よだれを垂らして春眠中の相方・でこのブログ