山手線の路線図を作る2 | 3倍早くなるためのDTP講座

3倍早くなるためのDTP講座

DTPの作業を早くするためのテクニックを綴っていこうと思っています。

●まず下準備
Macの方はScriptkeyAiにスクリプトを登録して、ショートカットを設定しておきます。Windowsの方は残念ですが、指定のフォルダにスクリプトを置いてメニューから選択しましょう。

ここでは以下4点のスクリプトをを登録します。( )内はMacでの私の推奨ショートカットキーです(神速Illustratorでは触れていません)。Windows用のショートカットではありませんのでご注意を。

指定アンカー数の楕円にする(control+D)
選択アンカーの位置に複製(control+F)
ai_splitLine.jsx(control+S)
ai_TextRangeRegexGUI_3.0bin.jsx(control+R)


↑Mac専用です、Winのかたスミマセン


そしてアクションを2つ作っておきます。
アクション1:全てを選択、ペースト→(F1)
アクション2:使用カラーをスウォッチ化、未使用を削除→(F2)


↑アクション2は029 p118参照


さて、いよいよ実作業にかかりましょう。

●実作業開始
まずは本線を作ります。
楕円ツールで80mm×80mm、線幅2mm、塗りカラー;なし、線カラー:C50+Y100に設定します。

さて、駅を等間隔に置くために、円周に29分割のアンカーポイントを追加します。まともにやろうとすると、ちょっと手間がかかりますね。
そこで、「指定アンカー数の楕円にする」を使用します。これは神速Illustratorに掲載しておりませんが、神速Illustrator「063 折れ線グラフのマーカーを手早く作る」で使用した「選択アンカーの位置に複製」の作者さんであるHiroyuki Satoさん作のスクリプトです。コレが瞬時にできてしまうなんて、神速どころか神ワザです。

というわけで、指定アンカー数の楕円にする(control+D)、29と入力するだけで、等間隔に29個のアンカーを配置できます。


↑これで



↑こうなる

ちなみに、手動でアンカーポイントを分割した場合、円には最初に4つのアンカーがあるので割り切れない数値の場合はアンカーポイントが余ってしまいます。このスクリプトはアンカーポイント数で等分割できるので、手動でやる場合よりも速くて正確です。

<お知らせ>
Hiroyuki Satoさんのページがこちら(http://shspage.com/)に移転されました。Illustratorスクリプトのページはこちら(http://shspage.com/aijs/)。旧ページもしばらくの間は残してくださるとのことです。


次に駅を作りましょう。
楕円ツールで7mm×7mm、線幅0.3mm、塗りカラー:白、線カラー:C50+Y100に設定します。ダミーのテキストを作成してセンター揃えにし、整列でセンターに揃えます。ここで円とテキストはグループ化しておきます。


↑指定通りです



選択アンカーの位置に複製(control+F)で駅を本線のアンカーポイント上に複製します。


↑これが



↑こうなる



ダミー文字に支給テキストをペーストし、ai_splitLine.jsx(control+S)で行で分断します。


↑1つのテキストが→改行ごとにバラバラに


テキストツールに持ち替え、コマンドキーを押して一時的に選択ツールにしてポイントテキストを選択>カット、ダミーテキストにカーソルを入れてアクション1を実行(F1)。これを1周繰り返す。

↑てっちゃんは1周1時間かけてリアルタイムにペースト?


文字を流し終えたら全てを選択し、ai_TextRangeRegexGUI_3.0bin.jsx(control+R)から正規表現を「^....$」(キャレット、ピリオド4つ、ドル)にして垂直比率(水平垂直が逆?)を75%で実行。


↑4文字はいねがぁー、と探し回る必要なし


↑新大久保、高田馬場、西日暮里だけ長体かかってます


仕上げにアクション2(F2)を押して余計なスウォッチを削除します。
これで完成です。

カラーはグローバルスウォッチ化されているので、スウォッチオブションから変更すれば、一括で変更できます。


↑色替え簡単!



動画。今回はリアルタイムなので、ヒマな方だけご覧ください。^^

★神速ポイント
・スクリプトやアクションのショートカット化(神速076 p282参照)
キーを押すだけで実行できるのは、環境に左右されないので想像以上に快適です。

・円の分割
手動では手間がかかりますが、スクリプトなら瞬殺です。

・選択アンカー上に複製(神速063 p237参照)
こちらもアンカーの中央にオブジェクトを揃えようとするとけっこうな手間ですが、スクリプトで瞬殺です。

・テキストの行分割(神速053 p206参照)
テキストエディタとIllustratorをいったりきたりする手間を省きます。また、テキスト選択も反転する必要がないので、数が多いと捗ります。

・アクションでテキストペーストをちょい効率化
ダミーにテキストを上書きする場合、カーソルを入れてから全選択>ペーストが必要ですが、ひとまとめにしてF1キーにすることでちょっとだけ手間を省けます。
※私はQKでもっと効率よくしていますが…。

・正規表現で目視なしの長体(神速058 p223参照)
目視なしで4文字のものだけ自動で長体をかけてくれるところはシビれます。100個あっても同じ手間、それでいて見落としなし。

・カラーのスウォッチ化(神速029 p118参照)
これもまとめてF2キーにすることで、瞬時にスウォッチの整理が出来ます。

と、神速ワザを組み合わせれば、いろいろなデータ作成に役立ちます。
山手線はあんまり作らないと思いますが、観覧車とか、うーんとほら、いろいろあるでしょ。^^
というわけで、神速Illustrator、宜しくお願いします。

<おまけ>
正規表現ついでに、InDesignに搭載されている正規表現スタイルは、流し込んだだけで自動的に4文字のものに長体をかけることができます。さらに、修正して3文字になったら自動で正体に戻る。こんな機能があると捗りますよねー。え、いらない?