構造の理解 ~先読み
前回は見えないものを見ましたが、今度は未来を見ます。
さすがにこれはおでこが光りそうですが、これもSFの類ではありません。
3倍早い赤い人は、この「先読みのほにゃらら」と異名を取っていたようですが、早い人が先を読むのは当然なのでは?と思います。
例えば、現在位置から目的地まで行くとします。
何も分からなければとりあえずまっすぐ目的地に向かいますが、途中に川があり橋は遠くにあることがわかります。
最初から分かっていれば橋に向かって進むはずです。
このように構造(ここでは地理のこと)を理解していれば、次に起こることに対応した行動が取れるので、結果として早く済むのです。
DTPに話をもどします。
Illstratorで図版を作るときに構造を理解していれば、修正が入ったときにどのようになるかは推測できます。
仮に1章ではひらがなで表記していたのに2章では漢字の表記に変更されていたら、最終的にはどちらかに統一するのと考えます。
しかし、クライアントの指示が明確であれば、そのとおりに作るしかありませんが(ここで確認できるならしてください)、直しが入る可能性が高いのに直しづらいデータを作る必要はありません。
例として、花の図を描いて罫を引き、説明をつけるとします。
文字が全て左揃えになっています。この場合、文字数や級数が変わるとその分位置も移動しなければなりません。
文字訂正後は「花弁」と「葉」の位置がずれています。このようにずれた文字は、文字訂正後にずれた数だけ位置の移動をすることになります。
この場合、作成時に引き出し線の左にあるものは右揃え、真ん中にあるものはセンター揃えにしておけば、作成の手間は(ほとんど)変わらず、修正時は文字を直す作業だけで済みます。
このような図が100枚くらいあれば、修正の作業と時間は大きく差がでます。
図版自体や本のルール、データの構造を理解していれば、どのような修正が入るのかある程度は予測できます。それに見合った機能を使ったり作り方をすれば、修正にかかる手間を大幅に軽減できるのです。
DTP作業を早くするためには、作る「だけ」を早くするのではなく、修正やレアケース、トラブルなど、トータルで考える必要あります(断言!)。
だだし、800歳のジェダイマスターでも予測不可能なこともありますので、予測が外れることも予測しておきましょう。