大学最後の春休みから入社後数週間にかけて辻村深月の「凍りのクジラ」を読んだ。
辻村作品は「ゼロハチ、ゼロナナ」に続き2作目。「ゼロハチ、ゼロナナ」はミステリーとして、ヒューマンドラマ作品として素晴らしかった。
地方の狭いコミュニティの中で起こる人間ドラマを見事に描いており、地方出身の筆者としても共感しながら読み進めることができた。
それに対し「凍りのクジラ」は共感しながら読むというよりは高校生の主人公・汐織を客観的に外側から見守りながら読み進めた。
今回も高校、家庭というコミュニティで繰り広げられる人間の内面を描いているが、この作品の主人公・汐織は達観しすぎている。いやひねくれているともとれる。そのため彼女に感情移入するというこは読んでいてなかった。しかし文は流石。読みやすく、物語に惹き込まれた。また最後に明かされる一つのトリックがあったのでそれを踏まえてもう一度読み直したい。