ふと頭の中にうかんだお話。


とうとつ過ぎて自分でも謎w


気まぐれにいろいろな話を書きます。












『風使いと狼少年。』


すべてをぐちゃぐちゃにしてしまいたかった。

この孤独から解放されてしまえば、楽になれると思ったんだ。




ー序章ー




深い霧の森多く深く、風使いのタクトは今日も狩りにでる。

東に一匹、西に一人…。


ザンッー


風を切る音がしたのもつかの間宙に舞ったタクトは、腰に巻いてあるスカーフから
一本の扇子をとりだした。

扇子を大きく開き8の字に振りかざす。
風はその扇子の動き通りにタクトによって操られた。

ビュンっと音を立てたのもつかの間今はもう葉をなくした一本の木から一人の男が姿を表した。

「クソッ」

手には鋭い刃を持ちタクトにそれを振りかざす。

それを合図にと後ろからは大きな狼がうなり声をあげて飛びかかってきた。

しゃがみ込んで低い体勢をとり、扇子を上に翳し円を描く。
タクトが描いた円は周囲の風を巻き込み大きな柱となった。

「た、たつまき…!」

狼は竜巻に攫われ宙に舞う。

「ッ! ジーク!」

ジークと呼ばれた狼は風から抜け出そうと必死にもがき唸っていた。

「わかった!悪かったからもうやめてくれ!」

狼と共にタクトを襲った青年は額に汗を滲ませ懇願した。

「頼むから!」


タクトは青年を一瞥しバシンっと扇をとじた。瞬間、竜巻は何事もなかったかのように姿を消した。

「ジーク!」
おおきく宙に舞っていた大きな狼を青年は受け止める。

「-ッ、ジーク! ジーク! 大丈夫か?!」

青年に受け止められた狼はクーンと鳴き、主人である青年の顔を舐めた。

「よかった。 よかった…。」

よっぽど大事な狼なんだろう、愛しそうに狼を抱きしめるその手には青年の深い愛情を感じさせた。