あと2週間ほどで、2回目の手術から1年になります。
あの日、もう片方の卵巣と子宮、骨盤リンパ節+傍大動脈リンパ節郭清に加えて、
「大網」というアブラの膜も一緒に切り取られてしまったのですが。
手術前の説明の時に、
「大網切除の目的は?」
「無くなったら困ることは?」
と質問したら、
「大網が無くなっても困ることはない」
「卵巣癌の場合、大網への転移はよく起こるので、肉眼的に大丈夫そうでも切除の対象になる」
と言われました。
無くなって困ることがないモノなんてないよー、とちょっと思って、
「大網って、具体的にはどこにあって、身体の中では何をしているんですか」
とさらに訊いてみた私に、ふぅ、っとタメ息をつきながらODr.が説明してくれたのは、こんな話。
「大網の機能についてはよくわかってはいないけれど、
虫垂炎などのように、お腹の中に異物やバイ菌が入ってきたときに、
ぎゅいーっとその場所まで伸びて行って、
包みこんで排除したりしている、と言われています。
癌細胞も排除の対象になるべきものなので、転移しやすい、というのはそういうわけで」
「場所的には、胃の下のほうからぺろんと垂れている感じで、
CT画像では腹筋と胃の間に写ることがあります。
あなたのは薄いから、よくわからないけれど、ふくよかな人だとはっきりわかります」
「そんな大切そうな仕事をしているのに、ホントに無くなっても大丈夫なんですか」
「現代の通常生活では問題ないと思います」
・・・と、今思うとのんきなやりとりをした手術前日でした。
どうして今さらそんな話を持ち出したかというと、
最近仕事でマクロファージを育てることになって、いろいろ調べていたら、
大網にマクロファージの巣(乳斑というらしい)がある、と書いてあったもので、
あー、そういえば、大網がバイ菌や癌細胞を包んでやっつける、って言ってたっけな、と。
あ、ちなみに、内臓脂肪と言われるものの多くは、大網につくみたい。
大網切除しちゃった方は脂肪がつきにくい身体になってますよ、きっと(笑)