イタリアよもやま話 -85ページ目

ヴェニスの元旦散策写真集 7

トルチェッロの聖母被昇天大聖堂と

その鐘楼。7世紀に建てられ、

11世紀にこの大きさに至ったと

言われています。

こんな島にこんな立派な大聖堂。

この島の在りし日のの栄華が、

思い起こされますね。

ヴェニスの元旦散策写真集 8


トルチェッロ島のお隣は、

色とりどりの家が並ぶブラーノ島。

北イタリアは今の時期、

午後4時ごろには

太陽がゆっくりと沈みかけます。

ヴェニスの元旦散策写真集 9

ヴェニスの夕暮れ。

2005年第一日目も

終ろうとしています。

雲はティエポロの描いた

天井画のようにばら色です。

夕日は千年以上も

変わらぬヴェニスの町を

照らしてきたのですねぇ。

マンモーネ~イタリアの息子達は総マザコン~

お正月早々はっきり言わせて貰います。

イタリア人の男性は皆マザコン(マンモーネ)です。
そう見えない人でも、きっとどこかでマザコンです。
もうこれはイタリア人である証としか言いようがない、
どうしようもない事実です。

彼らにとってマンマが何をおいても一番大切な人なのです。
逆にマンマにとっても、息子が誰よりも可愛いのです。

日本人女性として、これは羨ましい事です。
こんなにも慕われる母親。
結婚して家を出てからでも、
しょっちゅうマンマの手料理を食べに帰る息子達。
結婚しているのに息子達の部屋をそのままとってある母親達。
「気持ち悪い」を越して、敬うべき親子愛です。

知り合いに、未だに結婚した息子のカッターシャツのアイロンをかけて待つ母親もいます。
もちろん、その息子は毎日昼食を実家でとるそうです。
アイロンのあてられたシャツが、
旧息子の部屋のベッドの上に並べられているのを見たときは、
正直言って、うへっと思いました。
奥さんの存在はどこへ・・・。
その奥さんも、自分の息子に肩入れするしかないですね・・・・。

日本の母親だって、自分の息子が一番可愛いでしょう。
でも思春期の頃から親離れしていき、
大学入学とともに家を出て、結婚し、
たま~にしか顔を見せない。

日本人の子供より、イタリア人の子供の方がいいなぁ、
と思わせるほど、イタリア人の男性は母親想いなのです。

でもそう考えると、結婚するなら日本人男性の方が
いいですねー。


日本の皆さん、新年おめでとう。

私は今、大晦日の夕食パーティーの準備がちょっと

一区切りついたところ。ふと時計をみると午後4時すぎ!


おっと!

日本ではもう 2005年ではないか!


日本の皆さん、そして私の貴重な読者の皆さん、

そちらでは

新年明けましたね、おめでとうございます。

2004年の後片付け、悲しい出来事を乗り越えて、

日本の明るい2005年をイタリアから祈っています。


心はいつもふるさとと一緒ですから。

プレゼーピオ


日本語でなんと訳すのでしょう。
と、辞書をひいてみたら

PRESEPIO

1.まぐさ桶;馬屋; (特に)キリストが生まれた馬槽(まぶね)
2.プレゼピオ。キリスト降誕の場を表現した模型で、クリスマスの前日から、御公現の祝日(1月6日)
  の翌日まで飾る。

とありました。私の指しているのは2番の模型の方です。


辞書にはクリスマスの前日とありますが、一般的にはクリスマスムードが沸き起こる祝日、
12月8日頃から飾り始めるのが一般的です。
(聖母マリアが、その母親アンナの胎内に宿ったことを祝うお祭り)
どこの教会内の一角にも必ず置かれますし、家庭内でも飾られます。
家庭でのものは、チャチイ子供だましのオモチャといった感じのものが多く、
日本の雛人形や五月人形などと比べると、相当見劣りしますし、
見ごたえもありません。
(上の写真を見てもらったら わかると思います・・・)


それに比べて教会のものには、凝ったものも多く、
馬小屋だけでなく、周囲に町の情景を作って働く人々を置いたり、
それらを電気仕掛けで動かしたり、
夜明け-朝-昼-夕方-夜-また夜明けと、数分おきに空の照明にグラデュエーションをつけたり、
というファンタジーに富んだつくりになっているものが多いです。
この時期になると、「プレゼーピオを見に行こうか」と、
普段入らない教会に入る人もいるほど。


もっとすごいのは、町内会とかの“生きてるプレゼーピオ”。
街の中心の教会前とかに馬小屋から、馬から本物を持ってきて、
一般市民が、羊飼いや聖家族に扮するといったもの。
寒い場所で、ずっと座ってる扮装人たちが、見ていて不憫になるというのが、私の感想です。
そこまでしなくても・・・といった感じ。
今まで数回見ましたが、イタリア人の常でコーヒー飲みに休憩に
行っちゃったりしてて、誰もいないもぬけの殻だったとか、
馬が後ろで興奮しだしてそれをなだめるのにてんやわんやだったり
とか、面白いハプニングもあります。
イエスの生誕後、市民扮するマリアは本物の赤ちゃんまで抱えてました。


辞書には「キリスト降誕の場を表現」とありますが、
「再現・追体験」といった方がピッタリのような気がします。
当然25日までは馬小屋の聖母マリアとヨゼフの間に置かれた“馬槽”は空っぽで、
幼子イエスは25日に入れられます。
したがって東方の3博士も、1月6日(エピファニー)まではイエスの近くに置かないで、
毎日少しずつ近づかせる几帳面な人もいるぐらいです。


盛大な新年のお祭りも挟んでいるせいか、余程の信者さんでない限り、
実際はクリスマス休暇が過ぎると、家庭では惰性で
置いているといった感があります。

スマトラ島沖地震~イタリアの報道・日本の報道~

今年の10大ニュースのランキングで騒いでいる間に
起こってしまったスマトラ島沖地震
きっと来年のランキングにも入らないのだろうけれど、
ここ半世紀の10大天災にも入る大惨事になってしまいました。

モルディヴから日本への支援要請があったと、
日本の新聞で読みました。
浅間山噴火、台風被害、新潟地震、などと
今年は日本の国内も大変で、しかも数年来の経済危機。
日本は今や気前よくお金を出せる国ではなくなっている
とは思いますが、天災の怖さをよく知らされている国であり、
長年アジアのリーダー格としての立場もあり、
ましてや近年は戦争のための資金援助したことですから、
ここでお金がないとは言いにくいでしょう。

イタリアからもクリスマス休暇で
モルディヴや、タイの諸島に、多くの人がヴァカンスに
出かけていました。
今の時点で行方不明のイタリア人は約500名以上、
昨日は50名の被害者の方々の棺が飛行機で
イタリアに着きました。
数ヶ月前から計画を練って、やっと休暇になり、
楽しくなるはずのヴァカンスが、
とんでもないことになってしまい、
家族の方々のショックはもちろん、
身内・友達に被害者のいないイタリア人でも、
かなりのショックを受けています。

百聞は一見にしかず


こちらの新聞は日本と違って、全てを写真に出しますから、
昨日の一面にも、外国人観光客の無残な死体が
砂浜のあちこちに多数ごろごろ打ち寄せられている写真が
大きく載せられ、中のページにも、
これでもか、というほど生々しい悲惨な写真で載りました。
もちろんネット新聞の報道でも実際の被害を目の当たりに
します。これを見てしまうと、
「ご冥福をお祈りいたします」
という言葉は私には出てきません。
今の時点で彼らにご冥福があるとは、どうしても思えない
くらい残酷で悲惨な画像だからです。

それよりも、これから、まだ見つかっていない人の探索や、
どうやって復旧していくか、そちらの方が今は大事でしょう。

ただ、日本の報道では、実際の地獄のような現場の様子が
伝わってきません。
残酷な遺体の一般公開には、躊躇する日本の姿勢は
よく分かります。御遺族の人の気持ちを考えても、
身内の写真が大きく新聞に載るのは、痛い傷口の上から
塩をぬられた気持ちになるでしょう。また、そういった
残酷な写真を興味本位で見る人も多いことは確かです。
でもそういう人たち“見る方”の、見方は千差万別です。
プライバシーの侵害にならない最低限の実情公開
今の時代、必要だと思うのです。
日本という国は、善い悪いはさておいて、ちょっとしたことでも
すぐにクレームの電話が殺到する国ですから、
そういった写真を載せる立場の側にとっては、
いろいろと後に面倒なこともあるのは想像できます。
でも残酷な事実は見せない風潮、というのは、
どういったものでしょう。
どうも綺麗事のような気がするのですが。
遠くにいながら何が起こったのかを正確に知るには、
カメラマンが命を掛けて撮った写真を正視して、
実際状況を把握してこそ、本当の気持ちで支援
ができるのではないでしょうか。

ここ数年、実に悲惨なことが多々起きました。
アフガニスタン、イラク、ロシア、...ecc
その都度、日本のネット新聞を見ましたが、
無残な被害者達を載せていたことは一度もありませんでした。
尊い意志を持って、日本から現地に救援・救助に向かわれる
方々は、現地が一体どういう場所なのか、そこへ行くことで
自分達の未来が、もしかしたら写真の被害者のようなことに
なり得る可能性もあるということが、わかっていらっしゃら
ない方もきっといらっしゃったのではないでしょうか。





イタリアの朝ご飯~追加~

う~ん、
イタリアの朝ご飯で、
canaryさんのコメントによる御指摘通り、
コーヒーメーカーの写真
添付をすっかり忘れてました・・・。
ごめんなさい。


というか、
「こんなの紹介して、
どうするんだろ。使い古して
汚れているし、
今や日本の家庭にだって、
もっといいデザインメーカーのが
置いてあるのに。
きっちり磨いて写真取り直そうか...。」
などと、どうでもいいこと迷っているうちに、
そのまま草稿として残し、
翌日そんな迷いもすっかり忘れてそのまま公開しました。
トシでしょうか...ボケの前兆でしょうか....。


磨かずに出します...時間ないので....。
ALESSIとかのデザインメーカーから
とってもナイスなのも出ていますが、
たかがコーヒーメーカーで、とてつもなく高いので、
イタリアの一般家庭では普通、このタイプが見られます。
デザインメーカーのは、新婚さんの家庭によく見られます。
贈物としてもらったんでしょう。


イタリアの家でコーヒーメーカーは
“カッフェッティエーラ”又は“モーカ”と呼ばれ、
日本の家庭での炊飯器のように、必ずあります。
うちには2個あります。
一番小さい2人用と一回り大きい3人用。
写真は三人用。高さ13~4cmといったところです。


どちらも直径が普通の子鍋よりかなり小さいので
取っ手のところは、気をつけていないと、
よくガスの火で溶けちゃいます。
(だからデザインもの買うのははもったいない)
プラスティックの焼ける匂いで気付いた頃は、
取っ手の下がトロ~って垂れ下がってたりします。
それと、空焚きも結構多いかも。
毎日何回も入れてると、
水を入れずに火に掛けちゃうこともあって、
なかなか沸かないなぁ、と思っていたら、
実は水の入れ忘れで、
そんな時は中の金属フィルターを囲むゴム製の枠が
すっかり溶けてたりします。
どの家庭でもしょっちゅう起こることなので、
部品の替えは、どこでも安価で売っています。
(そういう意味でもスタンダードのを買っといた方が楽。)


あらら...追加ブログの方が長くなってしまいましたね...
今回は写真入れるの忘れないようにしないと...


あの整然と木の並んだ林は?

北イタリアを電車で走ったことがある人は、
田舎の景色の中に、整然と同じ間隔で植えられたポプラの林に
目が留まったのではないだろうか。

等間隔に五目のように植えられた、ポプラの林。
初めて見た時は、
「こんないい加減な民俗が、なんであんなに整然と木を植えるんだろう」
と不思議に思った。

不思議なことに、紙のパルプ用の木の栽培という説明を
すぐにできるイタリア人はあまりいない。
風景に慣れてしまって、
「あの林はなんだろう」と思うイタリア人が少ないのかもしれない。

ポプラの木は成長が非常に早いので、循環よく土地が使えることから、
パルプ用の林に適しているという。


イタリアの朝ごはん

イタリアはなんといってもカフェラッテ。
家でいれたエスプレッソコーヒーに
暖かい牛乳を混ぜて大きめのカップで。
(写真は我が家のコーヒーメーカー。
毎朝使いこまないとコーヒーの味が悪くなる、
と言われる。)


そこにビスケットとか、パンを浸して食べます。
または「フェッテ・ビスコッターテ」という
カリカリっとした小さなトーストパンにジャムをぬったり。

日本ではあまり主流ではなく、
かつこちらでは主流のジャムは、
アプリコット(杏ですね・・・)。
BARで朝ご飯を立ち食いする人も多いのですが、
ほとんどの人が2度目の朝ご飯です。
イタリア人にとってBARは教会よりも
神聖な場所かもしれません。
家を出て30分後に仕事場に着くと、まずは近くのBAR。
そこでカップッチーノと下品なほどにアプリコットジャム
の詰まったブリオッシュ(クロワッサン)が欠かせません。

そんな彼らに日本式の朝食を説明すると、
「うっひゃ~。朝から魚?朝からミソスープ?」
とモロに嫌な顔されます。

仕事で韓国へ行ったとき、
ホテルの朝食ビュッフェで日・韓・洋、3食とも
モリモリ食べた私を見て、
イタリア人の同僚は気持ち悪がってました。
朝食べるのは一番健康にいいのに。