彼女の選手としてのキャリアを本当に惜しむ
惜しむ
惜しむ

本当に残念無念である


彼女に大輔さんの四分の一でもいいから空気を読む力があれば

彼女に浅田真央さんの四分の一でもいいから愛されキャラのほわああっとした空気があれば


彼女にあともう少し頭のいいブレーンが居たら
あともう少し連盟との仲がこじれる前に仲介してくれる人がいたら


世界選手権を2度制した女性選手としてはあまりにもあんまりな終わり方だなぁ


と思う一方で


でも大輔さんの四分の一くらい空気を読む姿や
浅田さんの四分の一くらいほわああんとした空気を纏っていたら

それはもう安藤美姫ではないわけで


SPの日、彼女が魅せてくれたMY WAYは明らかに素晴らしく
彼女のキャリアの中でもぴか一の出来だった。


復帰当初から「オリンピックに出たければ全日本優勝しかない」と言われていたという。
それはつまり、浅田真央に勝てという事だ。全日本の浅田真央は強い。勝とうとして勝てる相手ではない。
安藤さんだって、あの一番すごかった2010-2011シーズンで一番良い演技をして、調子の悪い真央にようやく勝てたくらいだった。

たまたまこの全日本で真央は調子が悪くて、滑走順の妙もありアッコ姉さんが最後の最後に全日本女王になれたけれど、

それだって、本調子の真央に勝てるかといえば、自信がないだろう。

そのくらい「全日本の浅田真央」に勝つのは大変な事なのだ。

それを復帰してジャンプも覚束ない頃に言われてたとしたら、そりゃあなた

「はいはい、しゅうせーん」である。


その中で、彼女の目標がオリンピック出場から変わっていくのは仕方ない事だ。

もちろん全日本に出るのを目的にしているならばそこを目指していないという訳にはいかない。誰だって金メダルを目指して競技をしているのだから。安藤さんだって立派なアスリートだからね。それくらいは分かってる。

終戦だって分かっていても、そこに可能性があるなら目指す

立派なアスリートだと思う。

けれども全日本のSP。彼女はきっとまだよく分からない未来の娘の為に
ずっと応援してくれていたファンの為に
協力してくれたスタッフや
中には居たであろう彼女のキャリアを惜しんだ連盟の関係者の為に

そのときできる最上の演技をしてくれた。


嬉しかった。
安藤美姫のファンですってこれほど胸を張って言えた事があるだろうか。
いや、あるけどね。あるけど、なんか

すごく誇らしかった。

彼女の努力とチャレンジとその成果に

安藤美姫は天才である という その事実に

あの日の私がどれほど慰められたか…きっと誰にも分からない。


フリーも、きっと私たちファンの為に滑ってくれるのだろう。

私はもうずっとずっと美姫ちゃんは自分の為に滑って欲しいって願っていたが

そうだね、きっと彼女が誰かの為にって思う時に本当に輝く人なのだ。
あんなに奔放で日本の常識にとらわれず、自由を謳歌しているように思われているけれど、
彼女が良い演技をする時は、枠がかかっていたり、モロゾフがピンチだったり
そんな、そんな、他的要因が大きいときなのだ。

そして、今彼女は 永遠に無くならない 娘っていう大きな外的要因を手に入れたのだ。

逃げる、泣く、辛いという

何故か日本ではこの手の事をすると本当に叩かれるけどね、

でも安藤さんは今回だけは逃げなかった


フリーの日、正直に言うと

6分間練習を見ていて分かった

これはもう勝負にならない


あの空間のあの殺気というか気合い、オリンピックに行くんだというそのオーラを纏った

鈴木明子、村上佳菜子、宮原知子、今井遥 そして 浅田真央

その一点を見つめる視線の強さには
彼女の

誰かの為に良い演技をしたい
自分の最後の演技を精一杯やりたい

という思いではとても太刀打ち出来ない。そういう真剣勝負の場で彼女だけは
戦う相手は彼女自身だった。

その事は、とてもとてもよく分かった。

六分間練習で安藤さんはあっこさんとニアミスした。いつもだったらそこは優しいあっこさんはさっと避けただろうけれど、避けたのは二度の世界女王の安藤さんだった。あの日のあっこさんにはそれをさせるだけの気合いとオーラがあったのだ。


だから、フリーの演技。

私はとても穏やかな気持ちで見ていた。

彼女の最後の演技だからね。

ほんとうは、来年もう一年やればもっと調子も上がってくるし、浅田真央が居なくなったスケート界なら連盟は三顧の礼で迎えいれてくれるのになぁ

と思う。

セカンド3Tは本当に綺麗だし。あれなら3Lzに付けるのなんて訳ないだろう。
娘という強い推進力を得た安藤さんに、安藤さんの言動がおかしく見えないくらい天衣無縫な高須先生というスポンサー。なんかやっぱり安藤さんの衣装は綺麗だし、
即席にしてはすばらしいチームだったと思う。

勿体ない

勿体ない

勿体ないなぁ


と思いながらも


最後に鳴り止まない拍手と共に涙を流しながら、コーチに手を挙げられて笑っていた美姫ちゃんを見ていて


ああ、終わったんだなぁ


と思いました。



鳴り止まない拍手と歓声


さよなら、ありがとう

あなたが私たちに魅せたいと思っていた物は全部魅せてもらった

ありがとう

あなたのファンで良かった