道 〜心臓外科医 奈良原裕のブログ〜 -8ページ目

道 〜心臓外科医 奈良原裕のブログ〜

あの日がくるまで僕は人生のうわっ面しか追いかけてこなかった。医師となり心臓外科医となって、これまで何をしてこれから何をしていきたいのか。この道がどこで終わるのかはわからないけれど、向きたい方向に顔を向けて歩いていこうと思う。

8月の半ばに初めて松之山診療所を訪れた日は真夏日で、スーツの上着はとても着れる気温ではなく、山の緑が眩しかったのを昨日のように思い出されます。

 

診療は、高血圧、高脂血症、糖尿病など慢性疾患の管理が中心で、自分が外科系を専門としていることから、次第に膝や肩、腰の痛みの患者さんが来られるようにもなりました。

 

松之山診療所で行える検査は、レントゲンや心電図、血液検査とエコー検査ですが、血液検査は検査センターへの外注ですので結果は後日です。また、エコー機は簡易なものなので心臓用ではありませんが、まぁ、見えなくはありません^^;

 

というわけで、ここでは、問診、身体所見、聴診、それと鼻が利くこと(臨床勘とも言います…)が大切になります。実際、鼻が効いたことで、いい結果となった症例もありました。都会と違って松之山の人たちは最新の検査を気軽に受けられる環境にありません。だから、診察室では患者さんをよりいっそう深く診ようと心がけています。

 

先週まではまだ秋色の山里だった松之山ですが、今週はその姿を一変していました。そして、松之山診療所の人たちもタクシーの運転手さんも、誰もが口を揃えてこれはまだ始まりだと笑って言います。

 

来週の金曜日は祝日なので、今日で松之山診療所での今年最後の診療を終えました。次の診療は年明けとなります。3週間後となるわけですが、きっと今日ともまた違った松之山の自然美を見せてくれるのでしょう。

 

松之山のみなさま、来年もまたよろしくお願い致します。

 

 

最寄り駅から松之山診療所へ向かう道。どんどん雪深くなっていきました^^;

 

 

 

松之山診療所。きれいに除雪された道もあっという間に白くなっていきます。

 

 

 

診療所の前の風景。山里の天気は目まぐるしく変わります。

 

 

 

まつだい駅でほくほく線の到着を待っています。5分で底冷えしてきます。