消えた日。
存在してたはずの、人が人として消えたのは。
去年の暑い暑い夏の夜。お昼は青空だったの。
でも、夜は黒くて。何もかも見えなかった。見たくなかった。
もう今日でお別れだってことは、みんな分かってたみたい。
病室を出るとき涙ながらに感謝を伝えたの。
幸せだったよ、ありがとうって。
そしたら意識だってないに近いだろうし、喋るのだって辛いのに。
途切れ途切れに、私もだよ。って言ってくれて。
もう悲しかった。悲しさしか分からなかった。
受け止める、なんてこと無理で泣くしかできなかった。
泣くことで精一杯の反抗。神様に反抗。
病院から電話がきて、会いに行ったら。
その人はその人の形だけしか存在してなくて。
心なしか冷たくて、恐怖に近い感情を感じた気がする。
それから少しの間のこと。覚えてないや。
ただみんなが悲しんでた。
大きな存在だった、あなたはもういないのね。って。
ハっとしてみればお葬式。
その日涙はでなかったんだよね。なぜか。
不思議と近くにいる気がして。
骨になる日。
建物が憎らしかった。入りたくなかった。
その人が入っていた形。に、最後のお別れ。
いやだいやだって、私ただ1人泣き喚いていたのを覚えてる。
妹だってみんなそんなことしなかったのに。
今思えば子供だったなぁ。みんな我慢してたのにね。ごめんね。
黒くて、冷たい扉を開けて 形を入れたら戻ってきたとき、
そこには白い骨だけがあったの。
考えられない。そんなのあの人じゃない。って、
私は骨を拾おうとしなかった。
でも、お母さんに支えられて2人で1つの骨を拾った。
あの人悲しむよって言われて。
その後もまったく覚えてない。
今でも、お線香あげるときとか涙が出そうになるよ。
未だに死んだってことが理解できてない。
どこにいるんだろって探したりもしちゃう。
でも、確かにいないんだよね。どこを探したって。
あの人の好きだったお菓子があってもあの人はいない。
本音、お母さんたちの前じゃ言えないけどね。
さびしいよ。かなしいよ。つらいよ。涙が乾かない。
でも、もういないんだよね。
かなしいけど、さびしいけど。
だけどね。たくさんのことをあなたから教わったこと。
誇りに思うの。大切だって思うの。
こんなに多くの、きれいな思い出。
ありがとうね。
できることなら、成人式の日のきれいな姿。
私自身もまだ見ぬ姿だけどね。
見せたかったなぁ。
できることなら、なんて言い出したら尽きないから。
ここらへんでやめておくね!ふふ
まだまだ、当分先の話だけどさ。
また会えたら。そのときは。
きつく抱きしめて、久しぶりだねって。
そう言ってほしいな。
それまで、まだすることたくさんあるから。
思い出もっとつくって、愛を知るの。
そしたら、会ったときに。
たくさんたくさん話聞かせるね。
きらきらしたストーリーを。
だから、まだ私の世界 見ちゃだめだよ。
見守ってるから。、なんて言って見ちゃだめだからね。
話するときまで、待っててね。
それじゃあ。また会うときまで、ね。