ブログお引越し2回目早々ですが、12/1にメサイアの本番が迫ってまいりました!

 

 

先月、日舞の舞台を見に行って、どんなに舞台がすばらしく、演者が巧みでも、意味が理解できないものを長時間見続けると人は眠くなる、というのを体感しましたので、2時間以上あるメサイアを聴きに来てくださる人のために、簡単ですが、各曲の歌詞の意味や、曲の聴きどころをまとめてみました!

キリスト教徒でもなく、合唱の基礎もよくわからないまま、本やWEBや先生の指導を元に記述しましたので、間違っているところがあってもお目こぼしいただけると嬉しいです。

 

 

 

 

メサイアの超個人的解説

 

 

メサイアは3部構成で、第一部が預言・降誕、第二部が受難、第三部が復活となってます。演奏会では前半で第一部、後半で第二部と第三部を演奏しますが、何曲かはすっとばします。なんせ長いんで!すっとばしても40曲以上あるんです。なので以下は今回の演奏会でやる曲のみの紹介。

メサイアは曲が売れずに破産寸前だったヘンデルの起死回生の作品。ヘブライ語のメシア(救世主)の英語読みがメサイアで、ちなみに救世主はギリシャ語だと「クリストス(キリスト)」になります。歌詞はほとんど聖書から持ってきています。オラトリオ(宗教音楽)なのに、ちょっと不敬じゃない!?と初演で眉を顰めた人もいたほど、当時の宗教曲としてはかなりロックでエンターテイメント性が高かったようです。

このメサイア、ヘンデルの時代からいろんなバージョンがあるようですが、今回やるのはかなり菅が前に出る編曲。たとえアンケートに金菅がうるさいと書かれようと、編曲のせいなので遠慮するなと先生も言ってます。そこんとこよろしく。

 

曲の前に

 

MAJORA CANAMUS (コーラス)

メサイア本編に入る前に、アカペラのコーラスが入ります。さあ、大いなる調べを歌おうという意味のタイトル。メサイアの曲にはないけど、ヘンデルの演奏会の最初に朗読されたり、パンフレットに印刷されたりしてた文章で、このメサイアは要するにこれが言いたいのよ!という総まとめ。その文章に指揮者の辻先生が作曲家の義理の妹さんに頼んで数年前に曲をつけてもらったもの。コーラス隊の楽譜150部の印税が妹さんに入ったことでしょう(笑)。

歌詞は、神様を信じるのがマジ大事、神様サイコー!・・・大雑把に言うとそういう意味です。

初めて聴いた人にはただの不協和音だけどこれで楽譜通りです。ホントに。何度も聴いてるとだんだんこの不協和音が癖になってきます。何かの予感を歌うようなアカペラのミステリアスな雰囲気のあとに、序曲のオーケストラがジャーンジャジャーン♪と入ってくるのがカッコいいのでお楽しみに。そして音程がミステリアスにならないよう、頑張れコーラス!

 

And without Controversy, great is the Mystery of Godliness:

God was manifested in the Flesh, justified by the Sprit, seen  of angels, preached among the Gentiles, believed on in the World, received  up in Glory.

In whom are hid all the Treasures of Wisdom and Knowledge.

 

 

前半

 

Sinfonia (オーケストラ)

いきなり受難を暗示する重々しい感じで始まります。キリストが足を引きずりながらゴルゴダの丘に登っていくようなリズム。途中からバロックの追いかけっこの曲調になります。美しい旋律にウットリ♥

 

Comfort ye, My people  (テノール)

「私の民(戦争にあったエルサレムの民)を慰めよ」と神様が言い、荒れ地では「神様のために道を作れ」と声がする、という歌詞。テノールの優しい「Comfort ye」に癒されちゃってください。「エルサレム」は英語読みで「ジェルサレム」と歌われます。ぜひ聞き取ってみてネ。

 

Confort ye, comfort ye my people, saith your God.

Speak ye comfortably to Jerusalem, and cry unto her, that her warfare is accomplished, thet her iniquity is perdoned.

The voice of him that crieth in the wilderness, Prepare ye the way of the Lord, make straight in the desert a highway for our God.

 

Every valley shall be exalted (テノール)

前の曲で道を作れ、といったのを受けて、「谷は隆起して、山はへこんで、曲がった道はまっすぐになあれ!」と無茶をいう歌詞です。エブリバディじゃなくて、エブリヴァリーなんです。

 

Every valley shall be exalted, and every mountain and hill made low: the crooked straight, and the rough places plain.

 

And Glory of the Load shall be revealed (コーラス)

さあ、第一部最初のコーラスです。「神の栄光が現れるよ!神様が降臨して、こんなこと言うよ~」という歌詞で、次のバスのソロへつなぎます。コーラスの出だしはアルトから。ビビッて小声になったり音が当たらなかったりしないように頑張るぞー!

 

And the glory of the Lord shall be revealed, and all flesh shall see it together: for the mouth of the Lord hath spoken it.

 

Thus saith the Lord of Hosts (バス)

よっしゃ、もう地形も変えちゃうからね!ってことで、「また天と地と海と陸地を揺り動かすよ!この神殿を栄光で満たしちゃう。そしてみんなが待ってる彼(メシア)がくるよ!」と神様は言う、という歌詞。神様が世界をゆすると、メシアがこぼれおちるんだそうです。揺り動かすぞ!のところは、しびれるバスの腹に響く美声で、「シェーーーーーーーィク!」と歌われますが、この16分音符で細かく上がったり下がったりするところ(メリスマという歌い方です)が聴きどころ。

 

Thus saith the Load of Hosts; Yet once, a little while, and I will shake the heavens and the earth, the sea and the dry land; and I will shake all nations, and the desire of all nations shall come.

The Lord, whom ye seek; shall suddenly come to His temple, even the messenger of the covenant, whom ye delight in: Behold, he shall come, saith the Lord of Hosts.

 

But who may abide the day of His coming (アルト)

でも、メシアはまるで精錬する者の火のように、すべてを焼き尽くして清めてしまうのに。彼が来る時、だれがそれに耐えられるの?という歌詞。歌詞の中で、文の途中でもHeとかHisとか大文字のHを使う場合の「彼」はメシア(キリスト)を指します。

 

But who may abide the day of His comming? and who shall stand when He appeareth? for He is like a refiner's fire.

 

And He shall purify the sons of Levi (コーラス)

前のソロのfireから引き継ぎ、主に正しく捧げものができるように、メシアはレビの子らを火で清める、という歌詞です。レビはヤコブの息子で、その子孫のレビ族だけが信仰を失わなかったので(レビはリーヴァイと発音されます)、レビを清めてこれでキリストが生まれる準備OK!となります。コーラスのメリスマの見せどころですが、家で私が練習してると、妹が後ろでマネして、ワライカワセミのように鳴いてました。さあ、この曲のメリスマはコロコロ綺麗に転がって清められるのか、それともワライカワセミになるのか・・・。先生からは、「自分の中から不純物をすべて取り除く気持ちで!」と言われてるので、不純物だらけの私はたぶん歌い終わったらカラッポですネ。

 

And He shall purify the sons of Levi, that they may offer unto the Lord an offering in righteousness.

 

Behold! A virgin shall conceive  (アルト)

見て!乙女が身籠って子供を産むよ!彼の名はエマヌエル、神と共にあるって言う意味よ、と言う歌詞。え?イエスじゃなくてエマヌエルなの?と疑問に思うまもなくサクッと次のアリアへ。

これは預言者イザヤのイエス誕生の700年前の預言。「神と共にある」と呼ばれる子が生まれる、くらいの解釈でいいそうですが、わかりづらーい。ちなみに、「イエス」という名前自体は、当時わりとありふれた名前だったらしいです。「イエス・キリスト」は、「救世主太郎」くらいの感じなのかも。

 

Behold! a virgin shall conceive, and bear a son, and shall call his name Emmanuel: God with us.

 

O thou that tellest good tidings to Zion (アルト→コーラス)

良い知らせ(マリアの受胎)をシオン(ザイオンと発音。エルサレムの別名)に伝えるものよ、高い山に登って大きな声で 「見て!あなたたちの神様よ!」とユダの町へ伝えなさーい!という歌詞がアルトのソロで歌われ、続けてコーラスが同じ歌詞を引き継ぎ、人々の間を吉報が伝わっていきます。ア・ラーイズ!登れ登れ~!

 

O thou that tellest good tidings to Zion, get thee up into the high mountain; O thou that tellest good tidings to Jerusalem, lift up thy voice with strength: lift it up, be not afraid: say unto the city of Judah, Behold your God!

Arise, shine; for thy light is come, and the glory of the Lord is risen upon thee.

 

For, behold, darkness shall cover the earth (バス)

打って変わって、おどろおどろした前奏で始まるこの曲。今この世は暗いけど、神様の栄光が現れ、国々や王もその輝きに向かう、という歌詞。

 

For, behold, darkness shall cover the earth, and gross darkness the poeple: but the Lord shall arise upon thee, and His glory shall be seen upon thee. And the Gentiles shall come to thy light,  and kings to brightness of thy rising.

 

The people that walked in darkness (バス)

闇の中を歩む人々は、大いなる光を見た、という歌詞。主の栄光が現れる前の暗い状態を歌っているので、このバスの2曲は曲調も暗め。オケの前奏は、人の体が朽ちていくところを表現しているので、ドロドロドロドロ♪という弦の響きは虫が死体をむしゃむしゃ食べてる感じが出せてれば成功。

 

The people that walked in darkness have seen a great light: and they that dwell in the land of the shadow of death, upon them hath the light shined.

 

For unto us a Child is born (コーラス)

さあ、暗いバスのアリアから一転、もうすぐ降誕、わくわくするね!という明るいコーラス。キリストの誕生を喜ぶ歌です。ワ・ワ・ワ・ワンダフル!

途中の、「And the government shall be upon His shoulder」は、明るいのに受難のリズム(序曲にもあった、ターンタターンタターン♪という足を引きずるようなリズム)。キリストの受難は生まれるときから決まっていた、という暗示だという説も。

 

For unto us a Child is born, unto us a Son is given: and the government shall be upon His shoulder: and His name shall be called Wonderful, Counsellor, The mighty God, The everlasting Father, The Prince of Peace.

 

Pifa (オーケストラ)

田園交響曲ともよばれるこの曲は、羊飼いのバグパイプを模しています。おだやかな田園風景の中で野宿をしながら羊を追う羊飼いをイメージして聴いてください。

この前のコーラス、「ひとりのみどり子がつかわされるよ」という預言までが旧約聖書、この後は新約聖書からとられた歌詞が歌われるので、この交響曲は旧約から新約へのインターミッションでもあります。タイムワープ!

 

There were shepherds abiding in the field (ソプラノ)

羊飼いたちは野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた、という歌詞。場面が変わったので、ここからソプラノで状況が説明されます。ちなみにたびたび出てくるこういう短い曲は、レシタティーヴ(叙唱)やアリオーソ(アリア風の)といって、説明や状況をしゃべっているように歌います。

 

There were shepherds abiding in the field, keeping watch over their flock by night.

 

And lo! the angel of the Lord  came upon them (ソプラノ)

すると天使がやってきて、神様の栄光が周りを照らしたので、羊飼いたちはビックリ仰天!

 

And lo! the angel of the Lord came upon them, and the glory of the Lord shone round about them: and they were sore afraid.

 

And the angel said unto them (ソプラノ)

「大丈夫、みんなにいい知らせがあるの。今日、ダビデの町であなたたちのために救い主が生まれたわ、そう、メシアよ!」と天使は彼らに言った、という歌詞。

 

And the angel said unto them, Fear not: for, behold, I bring you good tidings of great joy, which shall be to all people. For unto you is born this day in the city of David a Saviour, which is Christ the Load.

 

And suddenly (ソプラノ)

すると突然天使たちに天の大軍が加わり、神様をたたえてこう言った!という歌詞で次のコーラスへ引き継ぎます。

 

And suddenly there was with the angel a multitude of the heavenly host praising God, and saying.

 

Glory to God in the highest (コーラス)

いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心にかなう人にあれ、という歌詞。神様をたたえる天使(私たち女声コーラスのことよ!)の声と、突然明るくなった空に現れた神様の軍勢にびっくり仰天(そりゃそうだ)の地上の羊飼いの声の対比。そして歌のあと、言うだけ言った天使たちが遠くの空へ飛び去って行く感じをオーケストラが演奏しますので、あー行っちゃった~、と羊飼いの気持ちでポカーンと見送ってください。

 

Glory to God in the highest, and peace on earth good will towards men.

 

Rejoice greatly, O doughter of Zion (ソプラノ)

踊れシオンの娘、歓呼の声をあげよエルサレムの娘、あなたの王がやってくるよ!という歌詞。降誕のうわさが広まって、人々が喜んで踊る様子をソプラノが軽やかに歌います。

 

Rejoice greatly, O daughter of Zion: shout, O daughter of Jerusalem: behold, thy King cometh unto thee: He is the righteous Saviour, and He shall speak peace unto the heathen:

 

Then shall the eyes of the blind be opend (アルト)

その時、目が見えない人も耳が聞こえない人も治り、歩けなかった人は飛び跳ね、口がきけなかった人も歌いだす、という歌詞。神の奇跡よ!

 

Then shall the eyes of the blind be opened, and the ears of the deaf unstopped. Then shall the lame man leap as a hart, and the tongue of the dumb shall sing.

 

He shall feed His flock like a shephard (アルト・ソプラノ)

主は羊飼いのようにその腕で群れを養って集め、導いていく、とアルトの優しい声が歌います。ソプラノが引き継いで、疲れた人も重荷を負う人も主のもとへいらっしゃい、休ませて安らがせてあげるわよ、という歌詞。美しい声にフラフラとついていきましょう。

アルトで旧約聖書の預言を歌い、ソプラノが新約聖書での預言の成就に引き継ぐ構成になっています。

 

He shall feed His flock like a shepherd: and He shall gather the lambs with His arm, and carry them in His bosom, and shall gently lead those that are with young.

Come unto Him, all ye that labour and are heavy laden, and He will give you rest. Take His yoke upon you, and learn of Him: for He is meek and lowly of heart, and ye shall find rest unto your souls.

 

His yoke is easy, His burthen is light (コーラス)

主の軛(くびき)は負いやすく、主の荷は軽い、という歌詞。前の曲を引き継いで、主はわたしたちにそんな重い荷物を背負わせないよ、だからおいでおいで~、と明るく軽く歌います。最初は遠くの方からお誘いの声が、気が付くと近くまで来ていて、さあどうぞどうぞと。先生からは、「ジャパネットたかたの笑顔で!」という指示が出ています。第一部最後の曲、今すぐお電話を!という笑顔で退場です。

 

His yoke is easy and His burthen is light.

 

 

後半

 

Behold the Lamb of God (コーラス)

見よ!世の罪を取り除く神の子羊を!という歌詞。ここから第二部、受難の部になります。第一部で明るくおいでおいでと誘ってついてきた人々に、「あれ見なよ、キリストが磔になるの、お前のせいだから」と突きつけていきます。そして後半一発目のコーラスの出もアルトからです。ドキドキ。

 

Behold the Lamb of God that taketh away the sin of the world.

 

He was despised (アルト)

彼は軽蔑され、人々に見捨てられ、多くの痛みを負い、打たれるままに打たれ、あざけりや唾にも顔をそむけなかった、と、アルトが深い声でキリストの深い悲しみを歌い上げます。オケが切れたところでアルトがひとりぼっちの孤独をぽつりと歌う、「rejected」のところが切なくて大好きです。昔、初演のアルト歌手だったシラー夫人は旦那と不仲で駆け落ち中。シラー夫人の歌うこのアリアに感動して「この曲であなたのすべての罪が許されますように!」と叫んだ人がいたらしいけど、大きなお世話ですね。でもそのくらい美しいアリアです。

 

He was despised and rejected of men; a man of sorrows, and acquainted with greif.

He gave His back to the smiters, and His cheeks to them that plucked off the hair: He hid not His face from shame and spitting.

 

Surely He hath borne our griefs (コーラス)

ここからコーラス3連発。それぞれ趣の違う曲をお楽しみください。

最初の曲Surelyの歌詞は、「彼は私たちの病、痛みを担い、私たちの裏切り、咎のために刺され打たれた。彼の受難によって私たちには平和が与えられた」、というもの。付点音符のSurelyは受難のリズムでムチ打ちの音。受難の痛々しさを辛そう~に歌います。最後のthe chastisement~からは、「そこまでして私たちを救ってくれるのか~」と後悔の涙にくれながら歌うわけですが、キリストは自分の受難を神様が与えたと思って、「神様なんで!?」と言ってたはずなので、そこまでして(自分の愛しいキリストを苦しめてまで)神様は私たちを救ってくれるのか、という意味で神様への感謝ですね。そう考えるとますます、キリスト、マジかわいそうという気分で歌えます。

 

Surely he hath borne our griefs, and carried our sorrows.

He was wounded for our transgressions. He was bruised for our iniquities: the chastisement of our peace was upon Him.

 

And with His Stripes we are healed (コーラス)

Stripesは縞模様で、ここでは、ムチ打たれてシマシマになったキリストの傷のことです。「キリストの受けた傷によって私たちは癒された」という意味の歌詞。And with His stripes~♪のところは、and with のほぼ横並びの2音と、そのあと高音から一気に落ちるHis stripes で十字架を作り、「十字架の音形」と言われています。ここをピシッピシッとムチ打ちの音のように痛々しく、そのあとの we are healed を、癒された~と柔らかく歌います。アメとムチのような歌なのです。

 

And with His stripes we are healed.

 

All we like sheep have gone astray (コーラス)

私たちみんな、羊大好き♥ではなく、「私たちは羊のように勝手気ままにあちこちへ向かい、神様の言うことを聞かずに惑い、道を誤った」、という歌詞です。かわいらしい曲調で、羊大好き♥ではなく、人々の愚かさを表してます。We have turned のところでは各パートがバラバラに走り回る羊を表現します。メーメー。そして最後にガラっと曲調が暗くなり、「その罪を神様はキリストに背負わせた~」と重々しく歌って終わります。ちなみにLamb(子羊)はキリスト、sheep(羊)は私たち。羊より子羊のほうがえらいので混同しないように注意。

 

All we like sheep have gone astray; we have turned every one to his own way; and the Lord hath laid on Him the iniquity of us all.

 

All they that see Him (テノール)

「キリストを見る人はみな、彼をあざわらい、唇を突き出し、頭を振ってこう言う」という歌詞でコーラスへつなげます。

 

All they that see Him laugh Him to scorn: they shoot out their lips, and shake their heads saying:

 

He trusted in God (コーラス)

人々が、「神様に頼んで助けてもらえばいいじゃん、神様に愛されてるんだったら助けてくれるはずでしょ?」とキリストをあざわらう歌です。バスから始まり、だんだんとあざわらう人が増えていき、各パートが、「神様に助けてもらえばいいじゃ~ん(Let Him deliver Him)」と口々に歌います。これでキリストは心が折れてしまうので、先生からは、SNSの暴言で人を絶望に追い込むつもりで、メサイア一番のイヤらし~い顔で歌うように言われています。ちなみにマタイ受難曲とかだと、そんな顔で歌わなきゃいけない曲が何曲もあるそうですよ。メサイアでよかった。

キリストに期待してたのに、簡単につかまっちゃうなんてガッカリだよ!という、期待していた自分に対する舌打ちも含むような人々の失望と、それをキリストにぶつける人々の身勝手さを表現できたらいいなあ、と思います。

 

He trusted in God that He would deliver Him: let Him deliver Him, if He delight in Him.

 

Thy rebuke hath broken His heart (テノール)

ここからテノール4連発で、キリストの受難です。まず、人々に見捨てられたキリストの気持ちを切々と歌います。「人々のあざけりに心が折れ、絶望した。同情してくれるひとを探しても見つからず、だれも慰めてくれなかった」という歌詞。多分この辺で十字架にかけられた感じ?

 

Thy rebuke hath broken His heart: He is full of heaviness. He looked for some to have pity on Him, but there was no man, neither found He any to comfort Him.

 

Behold, and see if there be any sorrow (テノール)

まだまだキリストの受難をテノールが歌います。「キリストを見て!こんな悲しみがこれまでにあった!?」という歌詞です。こういう嘆きの歌はテノールの高音が似合いますね。

 

Behold, and see if there be any sorrow like unto His sorrow.

 

He was cut off out of land (テノール)

人々が背いたせいで、キリストは命あるものの地から切り離された、という歌詞で、ここでキリストは命を落とします。

 

He was cut off out of the land of the living: for the transgression of Thy people was He stricken.

 

But Thou didst not leave His soul in hell (テノール)

だが神様はキリストの魂を冥府に渡さず、その肉体を朽ちさせはしなかった、神様はキリストを見捨てなかったよ!という歌詞。ここから復活に向かいますよ~。

 

But Thou didst not leave His soul in hell, nor didst Thou suffer Thy Holy One to see corruption.

 

Lift up your heads, O ye gates (コーラス)

冥府に落ちたキリストの魂が復活するための城門を開ける力強いコーラスです。「栄光に輝く王がやってくるよ!城門よ、開きなさーい!」と天使が歌うと、キリストをあざけっていた人たちは、「えっ、誰?誰のこと?」と驚き、それに答えて天使が、「強くて万軍の王で栄光に輝く彼よ、彼!」と、オレオレ詐欺のような掛け合いが歌われます。彼だったのかー!とおののく人々に、神様はなんだってできちゃうんだから!とマウントをとる歌です。

 

Lift up your heads, O ye gates, and be ye lift up, ye everlasting doors, and the King of glory shall come in.

Who is this King of glory? The Lord strong and mighty, the Lord mighty in battle, the Lord of hosts. He is the King of glory.

 

How beautiful are the feet of them (ソプラノ)

良い知らせを伝える者の足はなんと美しいことか、という歌詞。前の歌との間にある曲が何曲か省略されてますが、キリストの復活を神様が約束し、そのことが人々に伝わっていくところがこの曲。わざわざ足が美しいと言っているのは別に足フェチなわけではなく、この時代、情報を伝えるのはテレビでも電話でもインスタでもなく人の足、人が歩いて伝え歩かなければならなかったからです。「How beautiful」と歌うソプラノのビューティホーな声を堪能しましょう。

 

How  beautiful are the feet of them that preach the gospel of peace, and bring grad tidings of good things!

 

Their sound is gone out into all lands (コーラス)

良い知らせが全世界に響きわたる!という歌詞。合唱もこだまするように力強く響きわたります(たぶん)。

 

Their sound is gone out into all lands, and their words unto the ends  of the world.

 

Why do the nations so furiously rage (バス)

前奏からめっちゃ盛り上がるバスのかっこいいソロです。なんで国々や地上の王は神様やキリストに逆らうの?という歌詞。厚切りジェイソンもびっくりのたたみかけです。

 

Why do the nations so furiously rage together, and why do the people imagine a vain thing? The kings of the earth rise up, and the rules take counsel together, against the Lord, and against His anointed.

 

Let us break their bonds asunder (コーラス)

地上の王たちは、「神なんて信じない、さあ、信仰の枷を外して、軛も投げ捨てようぜ!」と勝手に言い合います。通称「レタス」。メサイアコーラスの中で一番油断のならない曲です。3拍子なんですが、4声が全然違うメロディをバラバラに歌うわ、おかまいなしに2拍目から入るわで、振り落とされないようにする緊張感がすごい。一度振り落とされたら、途中から復帰できる自信はありません。基本的には他のパートを聞いて歌っている私も、この曲だけはアルトパートの休符を真剣にカウントしています。このヤバみと焦りが、地上の王たちの気持ちと呼応する(かもしれない)。

 

Let us break their bonds asunder, and cast away their yokes from us.

 

He that dwelleth in heaven  (テノール)

天にまします神様は、そんな地上の王たちをバカにして笑った、と言う歌詞。神様、ヨユーこきながらサクッと次のアリアへ。

 

He that dwilleth in the heaven shall laugh them to scorn: the Lord shall have them in derision.

 

Thou shalt break them (テノール)

さあ、神様の反撃です。「break them」や「dush them」と、鉄の棍で逆らう王たちをぶちのめします。陶器の器のごとく粉々に打ち砕いた、ってんですからもう無双です。そういえば人間は神様が土くれから作ったんでしたね。

 

Thou shalt break them with a rod of iron; Thou shalt dash them in pieces like a potter's vessel.

 

Hallelujah (コーラス)

メサイア中で一番有名な曲じゃないでしょうか。ロンドンでの初演の際に、この曲に感激した当時の国王ジョージア2世が思わず立ち上がったことから、その後の民衆も立ち上がって聴くようになったそうです。というわけで、特に断りがなければ立ち上がってもOK!むしろ立って聴くのがエチケット!だったそうです(当日の演奏会がどうなるのかはわからないので臨機応変にどうぞ!)。Hallelujah自体は、ヘブライ語で「神を賛美せよ」という意味で、歌詞は「神様が勝った!さすがは王の中の王、主の中の主!この世は神様のものさ!」というような意味です。この曲が受難の2部最後の曲で、演奏会では休憩挟まずに第3部へ続きます。この曲までくればあともうちょっと!コーラス、頑張って!聴いてるみんなも(寝ないで)頑張って!

 

Hallelujah: for the Lord God omnipotent reigneth.

The kingdom of this world is become the kingdom of our Lord, and of his Christ; and He shall reign for ever and ever.

KING OF KINGS, AND LORD OF LORDS.

 

I know that my Redeemer liveth (ソプラノ)

復活、そして伝説永遠の命へ、の第3部。歌詞は、「私は知ってるよ!キリストは生きてる、そして私は死んでも神を信じてる。実際、キリストは信仰によって、死んでから復活した最初の人になったじゃない」という内容。キリスト教の根幹、「復活」への信仰と希望をソプラノが歌い上げます。

 

I know that my Redeemer liveth, and that He shall stand at the latter day upon the earth: and though worms destroy this body, ye in my flesh shall I see God.

For now is Christ risen from the dead, the firstfruits of them that sleep.

 

Since by man came death (コーラス)

アダムのせいですべての人が死すべき存在になったように、キリストのおかげですべての人が生かされるのです、という歌詞。死ぬことになったのだから~の部分は人に言い聞かせるように歌い、キリストのおかげで復活するんだよ!のところはいきなりフォルテでぶちかます、という裏表の激しい曲です。ちなみにアダムという名前は、こわれやすい土(アダーマー)に由来するらしいですヨ。

 

Since by man came death, by man came also the resurrection of the dead. For as in Adam all die, even so in Christ shall all be made alive.

 

Behold, I tell you a mystery (バス)

神秘をあなたたちに告げよう、私たちは眠りにつくのではなく、今とは別のものになるのです、最後のラッパが鳴ったその瞬間に、という歌詞。えっ、どういうこと?と思っているうちに次のバスのソロへ続きます。

 

Behold, I tell you a mystery; We shall not all sleep, but we shall all be changed, in a moment, in the twinkling of an eye, at the last trumpet.

 

The trumpet shall sound (バス)

ラッパが鳴ると、死者は復活して朽ちないものに変えられる、という歌詞。最後の審判のラッパが鳴ると、人々が墓の下からボコボコ蘇って不死の者となり、キリストの王国へ行くという信仰の内容が歌われています。トランペットのソロとバスの協演がとにかくカッコよくて、一番好きな曲です。客席でウトウトしていた人も、トランペットの音できっと目を覚ますはず。練習のままなら、大学オケのトランペットのソロは女子です。がんばれ!

 

The trumpet shall sound, and the dead shall be raised incorruptible, and we shall be changed. For this corruptible must put on incorruption, and this mortal must put on immortality.

 

If God be for us (ソプラノ)

復活したキリストが神の右にいて、とりなしてくれる。神様が味方なら、敵対するものはないし、神によって正しいとされたものを訴えるものもいない、誰も私たちを罪に問えない、という歌詞。神様に祝福された生命が、死に完全勝利することで、預言が実現します。

 

If God be for us, who can be against us? Who shall lay anything to the charge of God's elect? It is God that justifieth. Who is he that condemneth? It is Christ that died, yea rather, that is risen again, who is at the right hand of God, who makes intercession for us.

 

Worthy is the Lamb that was slain (コーラス)

やっと最後の曲です。ひざはガクガク、重い楽譜を支え続けた腕もプルプルのコーラス隊。「子羊(キリスト)はえらい!神様と子羊に力、富、知恵、力、誉れ、栄光、そして祝福(これが7つの聖句)がずーっとありますように!」とヤケクソ最後の力を振り絞って力強く歌った後、そのままソロの歌手も加わってアーメンコーラスに突入。アーメンはヘブライ語に由来し、「そうでありますように」という意味。今まで歌ってきたことに対して、アーメン、と結ぶわけです。歌詞がずっとアーメンだけな上に、似たようなリフレインが何度もやってくるので、疲労も相まってうっかりするとどこを歌っているのかわからなくなる危険な曲なのです。

 

Worthy is the Lamb that was slain, and hath redeemed us to God by His blood, to receive power, and riches, and wisdom, and strength, and honour, and glory, and blessing.

Blessing and honour, glory and power, be unto Him that sitteth upon the throne, and unto the Lamb for ever and ever.

Amen.

 

 

最後はみんなで

 

降誕節~神には栄え~ (会場も一緒に)

ちなみに11月時点で、この曲まだ一度も練習してないけど、どうやら毎年この歌らしいので、当然コーラス隊は全員各パートを歌えるということなんですね、先生・・・?(追記:最後の練習日に一度だけ練習することになりました)。 演奏会のシメは皆さんもご一緒に!たぶん会場で配られるパンフレットに楽譜か歌詞(日本語ですご安心を)がついてるんじゃないかな?クリスマスなので降誕節の歌です。メリークリスマス!そしてここまでお疲れ様!ご来場ありがとう!