2023.12.24 updated

バイオフロックを利用したバナメイエビの陸上養殖


1. バイオフロックの養殖とは
2. バイオフロックのメリットとデメリット
3. 20tons タンクのバイオフロックシステム実用例
4.養殖における留意事項

5.養殖時の運転費用、収入、収益概算

 

1. バイオフロックの養殖とは
バイオフロック(Biofloc)技術の原理は、水中に微生物のコミュニティを育て、水質を改善し、魚やエビの養殖をサポートする持続可能なアプローチです。この技術では、水中の微生物が鍵となります。微生物は有機炭素化合物を燃料として利用し、これが化合物の分解を行うためのエネルギー源となります。

バイオフロックの中に存在する微生物コロニーは、水中の窒素化合物を分解する役割を果たします。特に硝化細菌などの微生物は、有害なアンモニアを亜硝酸化物に変換し、さらに硝酸化物に変換します。この過程で、微生物は有機炭素化合物を酸化してエネルギーを生成し、このエネルギーを使って窒素化合物の分解および他の代謝プロセスを実行します。

バイオフロックは、水質管理、環境保護、および養殖業界における持続可能性の向上に寄与することで知られており、微生物のエネルギー生成が窒素化合物の分解に不可欠な要素であることが理解されています。このプロセスにより、水中の窒素汚染が削減され、持続可能な養殖プラクティスが支えられます。

 

2. バイオフロックのメリットとデメリット

メリット: バイオフロック技術の利点は次の通りです:

  1. 水質改善: バイオフロックは水中の窒素汚染を削減し、水質を改善します。これにより、養殖プラットフォーム内の魚やエビの健康が維持されます。

  2. 水交換の削減: 従来の養殖システムに比べて、バイオフロックは水交換の頻度を大幅に減少させることができます。これは水の消費を削減し、環境への負荷を軽減します。

  3. 環境への持続可能なアプローチ: バイオフロックは環境への持続可能なアプローチを提供し、養殖業界の環境負荷を軽減します。水質管理の改善により、生態系への悪影響を最小限に抑えます。

  4. 養殖効率の向上: バイオフロックは養殖効率を向上させ、魚やエビの生産量を増加させることができます。

  5. 持続可能なエコフレンドリーな養殖: バイオフロックは環境への負担を減らし、養殖業界をより持続可能な方向に導くことで、エコフレンドリーな養殖を促進します。

バイオフロック技術は、水質管理と環境保護において有望なアプローチであり、持続可能な養殖プラクティスを支援しています。

バイオフロック(Biofloc)技術にはいくつかのデメリットも存在します。以下にいくつかの一般的なデメリットを示します:

  1. 技術とリソースの要求: バイオフロック技術の導入には特定の技術的知識とリソース(設備)が必要です。特に初めてこの技術を導入する場合、学習曲線が険しい(困難を極める)ことがあります。

  2. 適応困難性: バイオフロックはすべての種類の養殖に適しているわけではなく、特に大規模な養殖プロジェクトにおいては水質環境の適応が難しいことがあります。

  3. 微生物のバランスの維持: バイオフロック内の微生物コミュニティはバランスを保つ必要があり、時折、微生物の過剰成長や不均衡が問題となることがあります。

  4. 疾患のリスク: バイオフロック内で疾患の拡散リスクが高まる可能性があります。微生物の病原体が存在する場合、感染の広がりが制御難しいことがあります。

  5. 初期コスト: バイオフロック技術の導入には初期コストがかかります。適切な施設や装置の設置、水質管理装置、微生物の養殖などが費用がかかります。

  6. エネルギー消費: バイオフロックの維持には酸素供給や混合装置が必要であり、これらの装置の運用にはエネルギーが必要です。

  7. 管理とスキルの要求: バイオフロック技術を適切に運用するためには高度な管理スキルと監視が必要であり、これに要する時間とリソースが多くかかることがあります。

 

3. 20tons タンクのバイオフロックシステム実用例

20トンのプラスチック製水槽を要するバナメイエビのバイオフロック養殖で必要な設備は、以下のとおりです。

  • 水槽:20トンのプラスチック製水槽
  • エアレーション設備:水槽内の酸素濃度を適切に保つためのエアレーション設備
  • ろ過設備:水槽内の汚れを除去するためのろ過設備
  • 給餌設備:エビに餌を与えるための給餌設備
  • 給水設備:水槽に水を供給するための給水設備
  • 排水設備:水槽から汚水を排出するための排水設備
  • 飼育水の管理設備:飼育水の温度、pH、栄養塩濃度などを管理するための設備
  • 生産管理設備:エビの成長や収穫量などを管理するための設備

なお、この規模の養殖では、以下の設備も必要になる場合があります。

  • 水質測定器:飼育水の水質を測定するための設備
  • 水質制御設備:飼育水の水質を自動で制御するための設備
  • 病害虫対策設備:エビの病害虫を予防・駆除するための設備

具体的な設備の種類や仕様は、養殖規模や飼育方法によって異なります。

以下に、それぞれの設備については下記のサイトで詳しく説明します。

1)水槽

2)エアレーション設備

3)エアブロワー

4)アエロチューブ

5)ろ過設備

6)給餌設備

7)給水設備

8)排水設備

9)飼育水の管理設備

10)生産管理設備

4.養殖における留意事項

5.養殖時の運転費用、収入、収益概算

 

下のサイトを参照ください。

 

 

 

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