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Dr.ブログ「目のまわりのことを、ホリスティックに」

目やその周辺の不調を改善していくために、
目だけでなく、そのひと全体から考えるブログです。

 

『皮膚の調子がよくない時、

ナス科の野菜を控えてみては?』

 

 

          【 要 約 】

 

皮膚疾患のかたが、

 食事内容を変更すると

 皮膚の症状がどう変化したかを

 調査した研究が2つあります。

 

 その結果は、半数以上の患者さんが、

 「小麦類」、「ナス科野菜

 を減らすことで皮膚症状が改善した、

 というものでした。

 

エドガーケイシー療法でも、

 皮膚疾患のある患者さんは

 「ナス科野菜を避けるように」と、

 アドバイスされています。

 ナス科の野菜とは、

 ナス、トマト、ジャガイモ、

 パプリカ、ピーマン、唐辛子などです。

 

〇確証のためには、

 更なる検討の必要がありますが、

  ぜひ、試してみていただきたいです。

 

 

       【 本  文 】

 

 少し前に、

 「まぶたが、かさついて赤くなる

 というかたがお二人おられ、

 「トマトとかナスをよく食べますか?」

 とお聞きしたところ、

 ともに、

 「健康にいいと聞いたので、

 毎日しっかりトマト食べてます。」

 とのこと。

 しばらく控えていただいたところ、

 この症状が確かに軽減しました。

 

            

 

これに関連しそうな報告が二つあります。

 

 

『乾癬(かんせん)における食事行動

 :米国全国調査からの患者報告の結果』

〈下記(1)〉

 

乾癬」とは、

 免疫を介して生じる慢性の皮膚疾患で、

 世界人口の3-4%にみられるとされます。 

 

この研究は、

 乾癬の患者さんの

 「一般的な食習慣に介入することにより、

  皮膚の状態がどのように変化したか」 

 を調査し、

 合計1206人から回答を得て

 2017年に報告されたものです。

 

 回答者の86%が食事内容の変更を行い、、

 改善した割合が高かったのは、

 

  ・「アルコール (53.8%)」

  ・「グルテン (53.4%)」,

  ・「ナス科 (52.1%)」を減らしたあと、

   という結果でした。

 

「ナス科の野菜」とは、

ナス、トマト、ジャガイモ、

 パプリカ、ピーマン、唐辛子」等ですが

 これを減らすことによる改善率は、

 

 2位の「グルテン」に次いで高率で、

 4位以下の

 「ジャンクフード(50%)」

 「精白小麦製品(49.9%)」

 「牛乳(47.7%)」

 を減らした場合を上回っているのは、

 とても興味深いです。

 

         

 

『アトピー性皮膚炎における食事変更

 :患者報告の結果』

 〈下記(2)〉

 

これは、

アトピー性皮膚炎の患者さん169人の

食事内容の変更」による

皮膚の状態変化」について調査し、

87%のかたから回答を得て

2017年に報告されたものです。

 

最も良好に皮膚の状態が改善したのは、

 

  ・「精白小麦製品 (53.6%)」、

  ・「グルテン (51.4%)」、

  ・「ナス科 (51.4%)」の除去時、

   という結果でした。

 

乾癬での報告と同様に、

 「小麦など」についで、

 「ナス科野菜」を控えた際に

 改善率が高いという結果でした。

 

             

 

(小麦に関しては、

 グルテンや

 高GI値、収穫後農薬、漂白、

 遺伝子組み換えなど、

 すでに様々な指摘があり、

 ここでは割愛します。)

 

 

 

「皮膚に症状があるかたに対して、

 ナス科野菜を控える」

 という提案は

 まだ広くは認識されていないことですが、

 

 ” ホリスティック医学の生みの親 ” 

 と呼ばれる

 「エドガーケイシー療法」では、

 ずっと以前から、

 『皮膚疾患のある人は、

  ナス科の野菜を避けること』

 

 が勧められています。

 

 今回の二つの結果は、

 これと同じことを示しているといえます。

 

     (エドガー・ケイシー氏)

 

 

 

 

アトピー性皮膚炎の除去食については、

信頼性が高いとされる

システマティックレビューの報告が

2008年にあります。〈下記(3)〉

 

ここでは、

『アトピー性皮膚炎における

 様々な除外食の使用を支持するための

 良質の証拠はほとんど見つからない。』

 と結論されています。

 

しかし、上記二つの研究は、

このあとに報告されたもので、

 

近年では、

ナス科野菜に広く含まれる自然毒の

グリコアルカロイド

レクチンと呼ばれる一種のタンパク質の

関与について報告が増えています。

 

更なる検討で

徐々に明らかになると思いますが、

皮膚の調子がよくないときに、

ナス科野菜を控えてみること。

是非、試してみられるとよいと思います。

 

 

 

(参考文献)

(1)Dietary Behaviors in Psoriasis

: Patient-Reported Outcomes from a U.S. National Survey.

 Ladan Afifiら

 Dermatol Ther (Heidelb) 7(2):227-242,2017.

 

(2)Dietary modifications in atopic dermatitis

  : patient-reported outcomes

  Adi Nosratiら 

  J Dermatolog Treat; 28(6): 523–538. 2017.

 

(3)Dietary exclusions for established atopic eczema.

 Cochrane Database systematic review. Jan; 2008(1).