詩■久しぶりに微笑んだ
のら犬がいたそいつは安全な距離を保ちながら一生懸命に オレを吠えたかるくしっぽが揺れていたもとは白かっただろうによごれた茶色が寂しかった砂利道にしゃがんでみたらそいつは少し警戒をしたどんな目に遭ってきたのだろうしっぽを揺らしながら吠える声色が少しばかり確かになったふと思い立って買ったばかりのパンを取り出した今夜の貴重な食料なのだがまぁいいか、と袋を開けたのら犬が首をかしげたような気がしたからかるく パンを放り投げたゆっくりとそいつは寄ってきた嘘くさい茶色をリアルな茶色が 静かにかじる触れようとしたら少し驚いたが触れてしまえばおとなしかった夕陽もそろそろ居なくなる頃にそいつは何かを聞き届けたらしく片耳をピクッと立てて与える物の残っていない人間から離れていった振り返ることもせず現金なやつだな、となんだか笑えたところで今夜は何を食べようか、とあるはずもない選択肢を掘ってみる自由気ままなギブ・アンド・テイク鼻歌なんかを楽しみながら久しぶりに微笑んだ※お読みくださり有難うございます20代の頃の、ちょっと青臭い詩です。が、けっこう好き(笑)