純白のドレスを着た車いすの新婦と新郎が幸せのダンスー。新婦は生まれた時から両足が不自由だった。学生時代は音楽や美術に取り組んだが、7年半前に車いすダンスに出会い、夢中になった。「それまで障害者ということで、どこか劣等感があったんですが、ダンスをすることで自分が好きになりました」持ち前の表現力と努力で上達、2年後には車いすダンスアジア太平洋選手権で3位に輝いた。しかし、応援してくれた母親を4年前にがんで失い、踊る気力を失った時期もあった。そんな新婦を、周囲が応援。新郎との出会いも、厳しい練習をこなす日々の「やすらぎ」になった。新郎には新婦が「明るくて頑張り屋」に映ったという。新郎はダンス経験はゼロ。しかし、この日のために3ヶ月前から二人で練習してきた。約200人が見守った本番、燕尾服姿の新郎は硬い動きながらも、車いすでターンを決める新婦のてを優しく取り、二人で踊った。新婦は「みんなに見守ってもらって本当にうれしい。母も良かったね、頑張りなさいと言ってくれてるはず」と笑顔をみせた。(中日新聞20051030日号より)